2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670256
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
横田 憲治 岡山大学, 医学部, 講師 (00243460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小熊 恵二 岡山大学, 医学部, 教授 (00002262)
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Keywords | ヘリコバクターピロリ / HSP60 / IgGサブクラス / Th-1 and Th-2 / CD40L |
Research Abstract |
我々は、H.pylori感染におけるHSP60の病原因子としての役割を研究し、平成12年度は、以下の結果を得た。 1 リコンビナントHSP60蛋白の作製 HSP60のアミノ酸配列を調べたところ、143-190(159-175)と396-422残基にHLA ClassII分子を介してT細胞を活性化しやすい配列が集中していた(T cell epitope cluster)。また396-422残基の上流にはヒトHSP60と共通の配列が集中している場所が存在しており、その部位はMALTリンパ腫のリンパ濾胞中心部のFDCと反応するモノクローナル抗体(LK-2)の認識部位であった。そこでT cell epitope clusterを含むrHSP2(Ala100-Ser200)、rHSP4-5(Ile300-Gly435)、とHSP60の全長を含むrHSPwの3つのリコンビナント蛋白(GST融合蛋白)を作製した。 2 HSP60の抗原性 作成したrHSPwに対する抗価を測ったところ、H.pylori感染者のすべてがHSP60に対する抗体価が上昇していた。IgGのサブクラスについて検討したところ、MALTリンパ腫の患者ではHSP60に対するIgG1抗体価は、菌体に対する総IgG抗体価とよく相関し、感染によりTh-2の液性免疫が誘導されることが判明した。また、HSP60刺激により、B細胞増殖に関係するCD40LもMALTリンパ腫患者のリンパ球で発現が上昇することを認めた。 3 H.pyloriを感染させたマウスにHSP60を粘膜免疫すると、1ヶ月で胃炎が発症し、免疫をしないコントロールマウス群より、明らかに炎症が強くでた。 現在、血中及び胃液の抗体価を測定中である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Hayashi,S., et al: "Combined effect of rebamipide and ecabet sodium on Helicobacter pylori adhesion to gastric epithelial cells."Microbiol.Immunol.. 44. 557-562 (2000)
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[Publications] Yunoki,N., et al: "Antibody to heat shock protein can be used for early serological monitoring of Helicobacter pylori eradication treatment."Clin.Diagn.Lab.Immunol.. 7. 574-577 (2000)
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[Publications] 中尾美幸 他: "Helicobacter pyloriに対する電解機能水の殺菌効果"感染症学雑誌. 74・2. 120-127 (2000)
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[Publications] 横田憲治 他: "Helicobacter pylori薬剤感受性試験の標準化"Helicobacter Research. 4・2. 113-119 (2000)
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[Publications] 吉野正 他: "H.pyloriの胃リンパ腫への関与"癌の臨床(Jpn.J.Cancer Clin.). 46・6. 839-845 (2000)
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[Publications] 横田憲治 他: "培養法H.pyloriと胃粘膜病変-細菌の知見-"カレントテラピー. 18・9. 97-100 (2000)
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[Publications] 横田憲治 他: "H.pylori感染と胃粘膜免疫応答"日本臨牀. 59・2. 342-348 (2001)
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[Publications] 小熊恵二 他: "Helicobacter pylori感染の基礎と臨床"日本メディカルセンター. 305 (2000)