2001 Fiscal Year Annual Research Report
細菌性コラゲナーゼのコラーゲン結合ドメインに基づく機能性薬物の設計と応用-細菌性毒素の新しい応用を目指して-
Project/Area Number |
12670258
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
松下 治 香川医科大学, 医学部, 助教授 (00209537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 望 香川医科大学, 医学部, 助手 (10145047)
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Keywords | クロストリジウム / コラゲナーゼ / コラーゲン結合ドメイン / ベータ・サンドイッチ / コラーゲン様領域 |
Research Abstract |
Clostridium histolyticumクラスIコラゲナーゼのC末端には二つのコラーゲン結合ドメイン(CBD)が存在する。Caイオンの存在下、非存在下で,C末端側ドメインのX線回折による構造決を行った。Caイオンの結合によりN末側リンカーの構造がαヘリックスからβシートに変化し、βサンドイッチ構造の安定化と基質結合能の向上に寄与する事が明らかとなった。(米国University of Arkansas, Joshua Sakon博士らとの共同研究)基質への結命様式を推定するため、ドメイン表面に配向する種々のアミノ酸残基の部位特異的変異体を得た。コラーゲン様ペプチドを固相化したセンサー・チップを用いた表面プラズモン共鳴法を用いて、基質結合能(Kd)を測定したところ、サンドイッチの片面に基質結合性残基が集中している事が明らかとなった。 I型以外のコラーゲンを豊富に含む腎臓・軟骨、動脈壁などの組織を固定・包理後、ポスト法によりCBDを結合させ、免疫組織染色を行って、光顕的、電顕的にCBDの結合を検討した。CBDは種々の組織にに結合し、結合には周期性が認められなかった。またin vitroでCBDは種々の型のコラーゲンに結合した。以上よりCBDは基質の三重螺旋構造を認識して結合することが示唆された。 3種のゼラチン分解性Clostridium属細菌からコラゲナーゼを精製し、その構造遺伝子をクローン化して塩基配列を決定した。予想一次構造の比較から、これらは互いに異なるセグメント構造を有していることが明らかとなった。CBDの一次構造の比較から、CBDは歴史的に重複を繰り返してきたことが示された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Osamu Matsushita: "Substrate recognition by the collagen-binding domain of Clostridium histolyticum class I collagenase"The Journal of Biological Chemistry. 276・12. 8761-8770 (2001)
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[Publications] Tetsuhiko Toyoshima: "Collagen-binding domain of a Clostridium histolyticum collagenase exhibits a broad substrate spectrum both in vitro and in vivo"Connective Tissue Research. 42・4. 281-290 (2001)
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[Publications] Osamu Matsushita: "Clostridial hydrolytic enzymes degrading extracellular components"Toxicon. 39. 1769-1780 (2001)