2002 Fiscal Year Annual Research Report
エイズ患者に合併する日和見真菌感染症の分子病態に関する研究
Project/Area Number |
12670261
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
川上 和義 琉球大学, 医学部, 助教授 (10253973)
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Keywords | 日和見真菌感染症 / クリプトコッカス / ペニシリウム・マルネッフェイ / 自然免疫 / NKT細胞 / γδT細胞 / オステオポンチン / エイズ |
Research Abstract |
本研究では、動物モデルを用いてエイズに合併する日和見感染真菌として重要なCryptococcus neoformans (Cn)に対する感染防御機構について検討を行ってきた。各種遺伝子欠損マウスを用いることで、Cn感染防御におけるTh1関連サイトカイン(IFN-γ、IL-12、IL-18)の重要性について明らかにし、報告してきた。さらに前年度からは、Cn感染防御におけるNK、NKT、γδT細胞といった自然免疫リンパ球の役割について詳細な解析を行っている。Cn感染後肺内及び所属リンパ節にこれらの細胞が集積すること、またその集積にはNK、NKT細胞がMCP-1を必要とすること、γδT細胞はMCP-1非依存的であることを明らかにした。NKT細胞の役割として、この細胞を遺伝的に欠損したマウスを用いて、Cnに対するTh1反応及び感染防御の成立にNKT細胞が重要であることを見出した。一方、γδT細胞についてはマウスに抗体を投与することでこの細胞を除去してその影響を検討したところ、NKT細胞によるTh1反応の誘導を抑制的に制御している可能性を示す結果を得ており、さらに詳細な解析を行っているところである。また、東南アジアにおいてエイズに合併する重要な日和見感染真菌であるペニシリウム・マルネッフェイによるTh1反応誘導過程におけるオステオポンチンの役割についてヒトの末梢血単核球を用いて明らかにしてきた。本年度はプロジェクトの最終年度になるが、この3年間で真菌に対する自然免疫から獲得免疫に至るプロセスを明らかにすることができ、今後のエイズ合併真菌感染症に対する対策を構築する上で基礎的研究を通した貢献ができたと考えている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kawakami, K. et al.: "Anti-CD116 monoclonal antibody suppresses brain dissemination of Cryptococcus neoformans in mice"Microbiology and Immunology. 46. 181-186 (2002)
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[Publications] Kawakami, K. et al.: "Minimal contribution of Vα14 natural killer T cells to Th1 response and host resistance against mycobacterial infection in mice"Microbiology and Immunology. 46. 207-210 (2002)
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[Publications] Koguchi, Y. et al.: "Penicillium marneffei causes osteopontin-mediated production of interleukin-12 by peripheral blood mononuclear cells"Infection and Immunity. 70. 1042-1048 (2002)
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[Publications] Kawakami, K.: "Interleukin-18 and host defense against infectious pathogens"Journal of Immunotherapy. 25. S12-S19 (2002)
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[Publications] Kawakami, K.: "Role of natural killer T cells in host defense against cryptococcal infection"Revista Iberoamericana de Micologia. 19. 149-154 (2002)
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[Publications] Koguchi, Y.Kawakami, K.: "Cryptococcal infection and Th1-Th2 cytokine balance"International Review of Immunology. 21. 423-438 (2002)