2001 Fiscal Year Annual Research Report
腸管出血性大腸菌感染マウスを用いた溶血性尿毒症症候群の発症機序の解明
Project/Area Number |
12670266
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
澤村 貞昭 東海大学, 医学部, 助手 (80056241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 和生 東海大学, 医学部, 助教授 (50236569)
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Keywords | 腸管出血性大腸菌 / 溶血性尿毒症症候群 / 一酸化窒素 / サイトメガロウイルス / 動脈硬化 |
Research Abstract |
【HUS発症機序に関する研究】 平成13年度は平成12年度にBALB/cマウスを用いて行ったHUSの実験と同様の実験をiNOS遺伝子欠損マウスを用いて行った。iNOS遺伝子欠損マウス[Sv129xC57BL]F1由来、iNOS-/-)および[Sv129xC57BL]F1マウス(iNOS+/+)にEHEC(O157、T1001株)を1×10^5CFU腹腔内に感染させ、感染7日目にLPS50μg腹腔内に投与した。この実験系で以下の結果を得た。 (1)LPS投与3日目(EHEC感染10日目)での大腸内でのEHECの菌数(Log)及びベロ毒素(VT1,VT2)量:iNOS+/+,iNOS-/-マウスでの菌数はそれぞれ5.0±0.3、7.4±0.5であり(n=5-6)、iNOS-/-マウスで有意に高値を示した。また大腸内でのVT1、VT2量はiNOS+/+に比べiNOS-/-マウスで有意に高値を示し、iNOS-/-マウスマウスは易感染宿主であることを示した。 (3)LPS投与3日目での腎病変の程度:組織標本(HE染色)のおいて、ボウマン嚢1個当たりのメサンギウム細胞数を腎病変の指標とした。その結果、iNOS+/+では,メサンギウム細胞数の増加が認められ、腎変化が認められた。しかしiNOS-/-マウスではメサンギウム細胞数の増加はなく、腎病変は認められなかった。 以上の結果からEHEC感染後の腎病変は細菌数には依存しないこと、またNOが腎病変の病原因子であることを示した。 【その他の研究成果】 本研究遂行の目的で維持、管理したiNOS遺伝子欠損マウスを用いて以下の研究を行った。 (1)CMV感染に関する研究:NOはCMV感染の初期防御の主役である一方CMV肺炎成立における肺の傷害因子でもある事を示し、NOの2面性を明らかにした。 (2)動脈硬化に関する研究:NOは動脈硬化部位のコラーゲン量を減少させることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Noda, K.Tanaka, S.Sawamura et al.: "Role of nitric oxide synthase type2 in acute infection with murine cytomegalovirus"Journal of Immunology. 166. 3533-3541 (2001)
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[Publications] K.Tanaka, S.Noda, S.Sawamura et al.: "Nitric oxide targets bronchiolar epithelial cells in murine cytomegalovirus-associated disease in lungs free of the virus"Archives of Virology. 146. 1499-1515 (2001)
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[Publications] K.Tanaka, S.Noda: "Role of nitric oxide infection in murine cytomegalovirus infection"Histology and Histopathology. 16. 934-944 (2001)