2000 Fiscal Year Annual Research Report
ツツガムシ病リケッチア各株の遺伝子解析による系統分類
Project/Area Number |
12670267
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
浦上 弘 新潟薬科大学, 薬学部, 助教授 (80139732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 正博 新潟薬科大学, 薬学部, 助手 (70238509)
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Keywords | Orientia tsutsugamushi / ITS / 恙虫病 / リケッチア |
Research Abstract |
Orientia tsutsugamushi(Ot)の株間の系統を型特異抗原である56K蛋白の遺伝子と23S-5Sリボソーム遺伝子間のinternal transcribed spacer(ITS)のふたつの塩基配列を比較することで、系統関係を詳細に解析することを目的に研究を行った。これまでに我々が明らかにした56K蛋白遺伝子の塩基配列よりPCR用のプライマーを設計し、40株を越える国内外の株の塩基配列を明らかすることができた。その結果、国内の患者分離株のほとんどは4つの型に分けられるが、ダニ、野鼠分離株を加えるとより複雑になること、海外には国内には見られらない型が多数あり、系統関係は複雑であることが明かとなった。これは、Otの型が宿主ツツガムシの種によって異なるというこれまでの我々の主張を支持するものである。一方ITSについてはOtでは全く情報がないため近縁種のリボソーム遺伝子よりプライマーを設計したが、Otでの増幅効率が悪く、現在までに2株についてのみ塩基配列を明らかにすることができた。56K遺伝子では85.9%の相同性を示すこれら2株が、260塩基対のITSでは100%の相同性を示し、56K遺伝子には大きな淘汰圧がかかっていること、Ot株間の系統的距離は小さい可能性があることが明かとなった。現在、ほかの株についても検討を行っているが、OtではITSの株間の違いが小さく、これにより系統を解析することが不可能と思われる。現在我々が参画しているOtのゲノム解読計画は90%以上の解読が終了し、解析段階に入りつつある。OtにはRickettsia prowazekiiと同様に偽遺伝子が存在すると考えられるので、その塩基配列の株間の差異を明らかにし、系統関係を解析したいと考える。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Misumi H.,Takahashi M.,Takahashi K.,Urakami H.: "Dermatosis caused by the bite of trombiculid mite larvae, Leptotrombidium intermedium"Med.Entomol.Zool.. 51. 293-298 (2000)
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[Publications] Urakami H.,Takahashi M.,Misumi H.,Okubo K.,Enatsu T.,Tamura: "Detection, isolation and characterization of Orientia tsutsugamushi in Leptotrombidium intermedium."Med.Entomol.Zool.. 51. 169-177 (2000)
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[Publications] Tamura A.,Makisaka Y.,Kadosaka T.,Enatsu T.,Urakami H.: "Isolation of Orientia tsutsugamushi from Leptotrombidium fuji and its characterization."Microbiol.Immunol.. 44. 201-204 (2000)
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[Publications] Tamura,A.,Yamamoto,N.,Urakami,H., et al.: "Epidemiological survey of Orientia tsutsugamushi distribution in field rodents in Saitama Prefecture, Japan, and discovery of a new type"Microbiol.Immunol.. (in press). (2001)