2001 Fiscal Year Annual Research Report
HTLV-Iによる可溶性IL-6Rの産生促進と病態への関与
Project/Area Number |
12670275
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
堀内 三吉 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (60014081)
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Keywords | HTLV-I / IL-6R / 可溶性IL-6R / ATL / HAM / IL-6 |
Research Abstract |
目的HTLVーI感染細胞がIL-6Rおよび可溶性1L-6R(sIL-6R)のmRNAを発現していること、また、ATLあるいはHAMの患者では血清中におけるsIL-6Rの濃度が健常人に比べて有為に高い。HTLV-I感染とIL-6Rの発現および可溶性IL-6Rの産生について検討した。 方法HTLV-I感染細胞はMr-2,TY8-3/MT-2, TY8-3/TCL-Kanを、HTLV-I非感染細胞はU937, HL60, Jurkat, MOLT-4, H9等のT-cell系の細胞を用いた。これらの細胞からmRNAを精製し、RT-PCRを行ってIL-6RのmRMAの検出、およびFACSにてレセプターの発現、ELISAにてsIL-6Rの定量を行った。 結果と考察HTLV-I感染細胞では調べた細胞株すべてがIL-6Rを発現していた。胸腺腫由来T細胞株、TY8-3ではIL-6Rは認められなかったが、HTLV-Iを感染させたTY8-3/MT-2,あるいはTY8-3/TCL-Kan細胞株ではIL-6RのmRNAおよびレセプターを発現していた。sIL-6Rの定量を行ったところ、非感染細胞では検出されなかったが、HTLV-I感染TY8-3株では1900-2100pg/mlの濃度で産生が認められた。HTLV-IのTax遺伝子を導入したJPX9株を用いて、Tax遺伝子の発現を誘導すると、IL-6Rの発現が認められた。 以上の成績はHTLV-IはIL-6Rの発現を誘導し、これに伴って可溶性にIL-6R産生されることが明かとなった。可溶性IL-6Rが腫瘍細胞の増殖因子であるIL-6のシグナルをgP130を介してT細胞に伝達し、ATLやHAMの炎症の進行に関与していることが示唆された。
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