2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670299
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 義正 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (90280700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 雅一 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (40211479)
湊 長博 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (40137716)
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Keywords | T細胞受容体 / γδ型T細胞 / ピロリン酸モノエステル / アルキルアミン / 結核菌 / 病原性大腸菌 / 非ペプチド性抗原 / パターン抗原 |
Research Abstract |
ヒトγδ型T細胞の自然抗原としては、結核菌、マラリア原虫、病原性大腸菌O157などの産生するピロリン酸モノエステル系化合物とプロテウスなどの産生するアルキルアミン系化合物が知られている。このように一般に病原性微生物の産生する非ペプチド性抗原を認識することから、ヒトγδ型T細胞は自然免疫系の細胞群のひとつであると考えられるが、遺伝子再構成を必要とするT細胞受容体の一種であるγδ型T細胞受容体を有していることから獲得性免疫系の細胞群のひとつであるとも考えられる。今回の研究においては、γδ型T細胞がどのようにして病原性微生物の産生するパターン抗原としての非ペプチド性抗原を認識するのか分子生物学的手法を用いて検討した。まずT細胞受容体の発現を欠くJurkat細胞の一種J.RT3-T3.5にγδ型T細胞受容体遺伝子を組み込み、γδ型T細胞受容体を発現するJurkat細胞株を確立した。この細胞株を抗CD3抗体で刺激すると顕著なIL-2の産生を認めた。さらに、ピロリン酸モノエステル系抗原、アルキルアミン系抗原で刺激した場合にも同様のIL-2産生が認められた。以上より、γδ型T細胞はT細胞受容体依存的に病原性微生物由来のパターン抗原を認識していることが明らかとなった。次にγ鎖の遺伝子配列に変異を導入し、抗原基決定部位領域3のポジティブチャージを有するリジン残基を反対のネガティブチャージを有するグルタミン酸に代えたものをJurkat細胞に導入し、変異型γδ型T細胞受容体を発現するJurkat細胞を樹立した。この細胞株に抗CD3抗体を作用させると顕著なIL-2産生を示したが、ピロリン酸モノエステル系化合物やアルキルアミン系化合物を作用させた場合にはIL-2の産生はみられなかった。このことから、パターン抗原認識においてγδ型T細胞受容体上のリジン残基が重要な役割を担っていることが示された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Fumi Miyagawa, Yoshimasa Tanaka, Seiji Yamashita, Bunzo Mikami, Kiichiro Danno, Msami Uehara, Nagahiro Minato: "Essential contribution of germline-encoded lysine residues in Jγ1.2 segment to the recognition of nonpeptide antigens by human γδT cells"The Journal of Immunology. 167. 6773-6779 (2001)
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[Publications] Yu Kato, Yoshimasa Tanaka, Fumi Miyagawa, Seiji Yamashita, Nagahiro Minato: "Targetin of tumor cells for human γδT cells by nonpeptide antigens"The Journal of Immunology. 167. 5092-5098 (2001)
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[Publications] Fumi Miyagawa, Yoshimasa Tanaka, Seiji Yamashita, Nagahiro Minato: "Essential requirement of antigen presentation by monocyte lineage cells for the activation of primary human γδT cells by aminobisphosphonate antigen"The Journal of Immunology. 166. 5508-5514 (2001)
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[Publications] Craig T.Morita, Hoi K.Lee, Hong Wang, Hongmin Li, Roy A.Mariuzza, Yoshimasa Tanaka: "Structural features of nonpeptide prenyl pyrophosphates that determine their antigenicity for human γδT cells"The Journal of Immunology. 167. 36-41 (2001)
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[Publications] Hirohito Kobayashi, Yoshimasa Tanaka, Junji Yagi, Hiroshi Toma, Takehiko Uchiyama: "Gamma/delta T cells provide innate immunity against renal cell carcinoma"Cancer Immunology and Immunotherapy. 50. 115-124 (2001)