2000 Fiscal Year Annual Research Report
異なる発生源に由来する塩素化有機化合物のホルモン作用に基づく次世代影響評価
Project/Area Number |
12670321
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井上 尚英 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00131904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 美由紀 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (30156674)
田中 昭代 九州大学, 大学院・医学研究院, 講師 (10136484)
槇田 裕之 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30209407)
大村 実 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (50243936)
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Keywords | 塩素化有機化合物 / パラジクロロベンゼン(PDB) / p,p'-DDE / ホルモン様作用 / 複合汚染 / 次世代影響 |
Research Abstract |
本年度は、DDTの代謝物で魚介類に多量に含まれるp,p'-DDE(DDE)および室内で頻用されている芳香剤のパラジクロロベンゼン(PDB)の2種類の塩素化有機化合物の複合汚染による次世代影響について検討した。12週齢のオス、メスのウイスターラットを交配し、妊娠ラットを作成した。作成した妊娠ラットをコントロール群、パラジクロロベンゼン(PDB)投与群、DDEおよびPDB複合投与群の3群に分け、コントロール群には通常飼料を、それ以外の群にはDDE(125ppm)およびPDB(25ppm)のいずれかあるいは双方を混入した特殊飼料を、妊娠2日目より授乳期が終了する(出産後21日目)まで自由摂取させた。これらのダムラット(仔ラットを得るために交配したメスラット)は、各群6匹ずつとし、誕生した仔ラットは乳仔数による成長への影響を除くため、生後2日目にオス、メス各4匹ずつに調整した。仔ラットは生後21日目に離乳し、その後は、すべての群において通常飼料を摂取させた。実験開始後、ダムラットの妊娠、出産に対する影響、仔ラットの発育、成長、発達を経時的に観察、検討した。仔ラットが6週齢に生育した段階で剖検を実施し、各個体の主要臓器重量、生殖器への影響、血清性ホルモン濃度などを検討した。周産期にこれらの塩素化有機化合物の曝露を受けた仔ラットの成長や発達には、明らかな変化は認められず、DDEとPDBの複合的な汚染による場合でも、顕著な生体影響は認められなかった。しかし、生誕後早期(4日目)の肛門性器間距離はメスラットで延長が認められており、内分泌撹乱による影響が示唆される。今後、このメカニズムについて検討していかなければならない。また、その他の臓器への影響についても病理的、内分泌学的見地から現在検討中である。
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Research Products
(1 results)