2002 Fiscal Year Annual Research Report
環境発がん物質暴露に対する生体防御能に関する分子疫学的研究
Project/Area Number |
12670324
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Research Institution | Saga Medical School |
Principal Investigator |
市場 正良 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (60184628)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
友国 勝麿 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (40032891)
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Keywords | バイオマーカー |
Research Abstract |
人における環境発がん物質である多環芳香族炭化水素の暴露評価のバイオマーカーとして、尿中代謝物が利用されている。従来はピレンの代謝産物である尿中1-ヒドロキシピレンが広く分析されてきた。一方,ベンゾピレンは、環境からの多環芳香族炭化水素暴露のうち最も発ガン性が高いものの1つである。人への影響を考えた場合,発がん性のないピレンよりも,発がん性があるベンゾピレンの暴露量との関係を検討する方が,発がんリスク評価の上で重要であろう。そこで、ベンゾピレンの尿中代謝物,尿中ヒドロキシベンゾピレンの測定法を検討した。尿中代謝物分析は、非侵襲的であり、疫学調査においても有用と考える。 ベンゾピレン暴露指標としての尿中3-ヒドロキシベンゾピレンの測定法の基礎的検討をおこなった。蛍光HPLC測定の高感度化の検討及び尿中の夾雑物からの分離定量法として固相抽出および液相抽出法を検討した。検出器を高感度のものに変え,HPLCカラムを4.6mmから3.0mmへの変更により,ピーク高の増加が認められた。固層抽出の手段として,C18,銅フタロシニン,GSP-800樹脂の検討を行ったが,回収率,夾雑物との分離においてまだ十分ではない。ヘキサンによる液液抽出は操作が煩雑である。検討を継続する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Lee J: "Association of aromatic DNA adducts and urinary PAH metabolites influenced by genetic polymorphisms of GSTM1 in incineration workers"Mutation Research. 514. 213-221 (2002)
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[Publications] Hanaoka T: "Cytochrome P450 1B1 mRNA levels in peripheral blood cells and exposure to polycyclic aromatic hydrocarbons in Chinese coke oven workers"Science Total Environ. 296. 27-33 (2002)
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[Publications] Ozawa S: "Association of genotypes of carcinogen-activating enzymes, phenol sulfotransferase SULT1A1(ST1A3) and arylamine N-acetyltransferase NAT2, with urothelial cancer in Japanese population"International Journal of Cancer. 102. 418-421 (2002)