2001 Fiscal Year Annual Research Report
熱中症の立場から見た入浴中急死の病態解明と予防対策に関する研究
Project/Area Number |
12670329
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
堀 進悟 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80129650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 昌 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70265916)
富田 豊 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (50112694)
相川 直樹 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40110879)
中村 岩男 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60265808)
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Keywords | 急死 / 入浴 / 熱中症 / 高体温 / 心拍変動 / サイトカイン |
Research Abstract |
入浴負荷試験:20〜23歳の健常男性9人を対象に湯温44℃の条件で、(1)7分間の入浴、(2)5分の休憩、(3)その後に体温が40度に上昇するまでを目標としたの入浴負荷を行なった。(3)では心拍数150bpm、気分不快が生じた場合には、体温40℃以下でも中止とした。次に、同じ被験者に、同一時間の入浴負荷を湯温40℃の条件で負荷した。 (1)血行動態:44℃負荷では口腔温は37.0±0.8℃(血圧125+/-13mmHg)から38.6±0.4℃に上昇し(128+/-16mmHg)、その中で6人が平均10.2分で40に達した(144+/-24mmHg)。この6人は出浴時は40.2±0.3℃であったが、10分後には38.1±0.6℃まで低下した。心拍数は(1)で71+/-7bpmから116+/-16bpmへ、3では127+/-17bpmへと上昇した。同一被検者に40℃で同時間の入浴を行ったところ、体温は(1)で37.4±0.3_(120+/-10mmHgから108+/-5mmHg)、(3)で38.1±0.5_までの上昇にとどまった(117+/-9mmHg)。心拍数は(1)で68+/-9bpmから87+/-7bpmへ、(3)で100+/-6bpmまでの上昇にとどまった。 (2)PASAT:(1)の直前と(3)の直後に、計算と短期記憶の能力を判定するPaced Auditory Serial Addition Test (PASAT)を施行したところ、PASATの正答率は94+/-7%から81+/-14%へと有意に低下した。一方40℃の入浴前後では99+/-2%から99+/-2%へと変化を認めなかった。 以上より、高温浴では高次脳機能の低下が発生すること示された。今後の課題として、高体温にともなう高次脳機能低下と入浴事故の関連をさらに検討することが必要である。
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Research Products
(1 results)