2001 Fiscal Year Annual Research Report
溶接作業者に見られる気道閉塞性変化の個体差と血清サイトカイン量の関連性
Project/Area Number |
12670331
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
中館 俊夫 昭和大学, 医学部, 教授 (60155760)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 知永子 昭和大学, 医学部, 助手 (50276557)
|
Keywords | 溶接作業 / ヒューム / 血清サイトカイン / スパイロメトリー / 一秒量 / 肺磁界 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、1994年にベースライン調査を実施した職域のアーク溶接作業者コホート(約150名)のうち現在も職にあるものを対象に調査を継続実施した。昨年度と合わせて本研究で実施した調査項目は以下のとおりである。 (1)血清中サイトカイン値(本年度はIL4、IL6、IL8、IFN_γ、の4種類)の測定(2)肺機能測定(スパイロメトリー、最大努力性呼出曲線)(3)肺磁界測定(4)胸部レントゲン所見(5)作業環境測定(総粉じん、吸入性粉じん、オゾン、気流、換気、紫外線強度、等)(6)溶接ヒュームの個人曝露量測定(7)呼吸器症状・生活習慣等の質問票調査(8)業務歴調査 本年度測定した項目のうち、血清サイトカイン量は、ELISA法に化学発光法を組み合わせた高感度法で、肺機能は、これまでと機種を変更し、フライシュ型流速計を用いたスパイロメータで測定した。胸部レントゲン写真は当該事業所から提供してもらい、標準X線写真に則って読影した。呼吸器症状、業務歴等は標準化質問票および面接によって調査した。なお、以上の調査は対象者の同意を得て実施した。 全体的な作業環境、呼吸保護具の使用など、労働衛生管理のレベルは良好であったこともあり、胸部X線写真上明確な線維化所見を認めるものはいなかた。また昨年度結果が示すように肺磁界強度も1994年より減少しており、累積的なヒューム曝露量は改善しつつある集団であった。そのためもあり、血清サイトカイン量の測定では検出限界を下回るものも少なくなく、単純な対比では曝露との間の関連を示すことは困難であった。本研究でサイトカイン量測定法についてさらに検討する余地をいくつか認めたので、これらを検討するとともに、日々の曝露による急性変動を加味した分析を今後行う予定である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] T.Nakadate, T.Yagami, Y.Zheng, M.Kotani, A.Nishida: "Longitudinal change in magnetopneumographic measurements in Japanese arc welders, in relation with working conditions, pulmonary function, and chest x-ray findings"Proceedings of the 12th International Conference on Biomagnetism. 1023-1026 (2002)
-
[Publications] Y.Zheng, M.Saito, Y.Uchikawa, M.Kotani, T.Nakadate, T.Yagami: "Role of magnetopneumography measurement for prevention of pneumoconiosis"Proceedings of the 12th International Conference on Biomagnetism. 1019-1022 (2002)