2002 Fiscal Year Annual Research Report
「閉じこもり」高齢者の寝たきり化予防のための介入研究
Project/Area Number |
12670342
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
安村 誠司 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (50220158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 匡子 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50295408)
藺牟田 洋美 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 助教授 (60250916)
金川 克子 石川県立看護大学, 教授 (10019565)
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Keywords | 「閉じこもり」 / 高齢者 / スクリーニング / 信頼性 / 妥当性 / 介入研究 |
Research Abstract |
目的:(1)外出の程度から高齢者の「閉じこもり」を測定するスクリーニング尺度を作成し、その信頼性、妥当性を検討する。(2)地域における「閉じこもり」高齢者に対する健康情報の提供とライフレビューを用いた介入プログラムの作成とその有効性を検討する。対象:(1)福島県某市A地区在住の70歳以上うち介護保険利用者を除いた住民全員を調査対象とした。2001年は、985人(男358名、女627名)の中、介護認定者163名を除外した822名を、2002年は1019名(男371名、女648名)の中、介護認定者139名を除外した880名を調査対象とした。会場面接と訪問調査を実施し、2002年は590名(男性223名、女性367名)のデータが得られた。(2)2001年の訪問調査対象者のうち、74名(男25名、女49名)が「閉じこもり」と判定された。除外基準とした痴呆、聴覚の障害がある人を除き64名が対象となった。介入研究は対象を介入群と対照群の2群に無作為に分け、介入群に対し週1回、計6回の介入を行った。 結果:(1)「閉じこもり」スクリーニング尺度の信頼性の検討を平行テスト法で行った。「閉じこもり」スクリーニング尺度と同質とみなせる「障害老人のための自立度判定基準(1991)」との相関は0.367(P<0.01)であった。また、妥当性は同時に調査した「閉じこもり」に関連する項目に対する感度、特異度で検討した。老研式活動能力指標「病人を見舞うことができない」に対する感度は60.9%、特異度は81.4%、生活体力指標「階段をあがったり、おりたりできない」に対する感度は60.0%、特異度は80.8%であった。感度は30.3〜60.9%、特異度は79.6〜91.9%の範囲であった。(2)介入群のうち、6回全て継続した人は18名だった。対象者の発言の回数、意欲、表情、雰囲気など8項目で検討すると、いずれも介入の回数が増えるほど、対象者の反応が良くなっていた。介入群では生活体力で有意に維持・改善していた。「閉じこもり」高齢者に対する本プログラムの有効性が示唆された。
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