2002 Fiscal Year Annual Research Report
花粉症発症における花粉暴露と環境汚染物質等の複合作用に関する疫学的・免疫学的解析
Project/Area Number |
12670346
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Research Institution | TOYAMA MEDICAL AND PHARMACEUTICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
寺西 秀豊 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (40115184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 輝隆 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (80115162)
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Keywords | 花粉症 / スギ / アレルゲン / 環境 / 空中花粉 / 家族調査 / 疫学 |
Research Abstract |
富山県内および隣接県において,花粉症発症の危険因子等の背景要因を明らかにするために,家族単位に疫学調査を実施した。自覚症状調査には,437世帯999人より解答が得られた。解析の結果,花粉症有症率の最も高いのは男女とも30才代の者で,スギIgE抗体陽性率と良く一致することが明らかになった。 環境調査として浮遊粉じん(PM10,PM2.5)測定に関する研究を行なったが,現在の手法では多数のサンプルを同時に測定することは困難で,地域差を十分明らかに示すことはできなかった。花粉発生源であるスギ林の植生と関連し,花粉症有症率の高率化はおこることが示されたが,更に詳細に検討するには局地汚染を加味した花粉飛散モデル化の必要性が示唆された。 家族単位の食事調査により,油脂摂取と男性の花粉症有症率変動との関連性が示された。今回の調査では紅花油使用家族において,男性の花粉症有症率が低下するという興味深い結果が得られた。このことは季節野菜や雑魚などを調理する際,紅花油を使用する生活習慣が全体として花粉症発症に抑制的に働くことを示していた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Teranishi H., et al.: "Combined effect of the exposue to fruit-tree pollen allergen and other pollen allergens among Japanese pear farmers"Arch Complex Environ Studies. (in Press).
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[Publications] Saito M., Teranishi H.: "Immunologic determination of the major allergen, Cry j 1, in Cryptomeria japonica pollen of 117 clones in Toyama prefecture"Allergology International. 51. 191-195 (2002)
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[Publications] 寺西 秀豊, 他: "富山県におけるスギ花粉症初発症状の特微(2002年)"花粉症研究会会報. 14. 17-23 (2003)
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[Publications] 図子光太郎, 寺西秀豊, 他: "気象情報を用いたスギ花粉の日飛散予測"富山県林業技術センター研究報告. 14. 25-32 (2002)
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[Publications] 劔田幸子, 寺西秀豊, 他: "ケヤキ花粉飛散の特徴-特にスギ・ヒノキ科花粉飛散の年次変動との関連性-"日本花粉学会会誌. 48. 13-18 (2002)
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[Publications] 寺西秀豊: "花粉源対策,疫学・環境問題.「ここまで進んだ花粉症治療法」,佐橋紀男,NPO花粉情報協会 編"岩波書店. 163-169 (2002)