2001 Fiscal Year Annual Research Report
イソフラボンその他の栄養摂取が癌・心血管障害死亡および女性の閉経に及ぼす影響
Project/Area Number |
12670349
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
永田 知里 岐阜大学, 医学部, 助教授 (30283295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 弘之 岐阜大学, 医学部, 教授 (90073139)
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Keywords | イソフラボン / 大豆 / 栄養 / 死亡 / 胃がん |
Research Abstract |
栄養摂取、特に大豆製品およびイソフラボン摂取に注目し、癌、心血管障害死亡との関連性を評価した。対象は高山スタディ参加者である。1992年9月、高山市の35歳以上の住民約3万人(回答率約90%)が栄養と生活習慣に関する調査に回答し、コホートが設立された。大豆製品、イソフラボンその他の栄養素摂取量は169品目について過去1年における摂取頻度と1回の摂取量を尋ねる調査票を用い推定した。1992年より1999年末までの追跡期間における研究参加者の死亡と死因は、総務庁の許可を得たのち、人口動態統計データをもとに同定した。大豆製品および栄養素・食品群摂取量は総エネルギーで補正後5等分にカテゴリー化し、低摂取群をもとに各カテゴリーの、全死亡、癌、心血管障害、その他の原因による死亡のハザード比(HR)を計算した。年齢の他にBMI、喫煙習慣、飲酒量、運動習慣、婚姻状態、慢性疾患の既往歴等は、補正因子としてモデルに含めた。大豆製品の高摂取群の全死亡のHRは男女とも約15%減少していた(男性:HR=0.83,95% CI 0.69-1.01,p for trend=0.07、女性:HR=0.83,95% CI 0.68-1.02,p for trend=0.04)。癌、心血管障害、その他の死因別による解析は、統計的に有意な関連性が認められなかったものの、女性の心血管障害を除き、同様に低いHRが認められた。大豆製品摂取の強力でないものの死亡減少効果の可能性が示された。また、比較的死亡数の多い胃がんに着目して、大豆製品摂取との関連を評価したところ、高摂取群(3等分した上位群)は低摂取群に比べ、男女ともハザード比が約半分に減少していた。胃がん死亡あるいは胃がん発症に大豆製品摂取が抑制的に働くことも示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] C.Nagata et al.: "Soy product intake and hot flashes in Japanese women: results from a community-based prospective study"American Journal of Epidemiology. 153. 790-3 (2001)
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[Publications] C.Nagata et al.: "Soy product intake and premenopausal hysterectomy in a follow-up study of Japanese women"European Journal of Clinical Nutrition. 55. 773-777 (2001)