2000 Fiscal Year Annual Research Report
Multiple Risk Factor Syndromeの疫学的病態解明
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12670352
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
玉腰 浩司 名古屋大学, 医学部, 講師 (30262900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊嶋 英明 名古屋大学, 医学部, 教授 (10023657)
近藤 高明 名古屋大学, 医学部, 助教授 (00195900)
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Keywords | Multiple Risk Factor Syndrome / コホート研究 / 脳卒中 / 心血管事故 / 血清インスリン |
Research Abstract |
平成9年度より開始された職域コホートでは、既に約7000名の男性従業員に対して、食習慣、運動習慣、勤務・休養状況、精神的ストレスなどの生活習慣と平成9年度の健診成績に関するデータベースが作成されている。平成12年度の本研究では、研究計画に従って、先ずは女性従業員約1000名のデータベースを作成した。さらに、平成10年度と平成11年度の健診成績を利用できるように先のデータベースに追加した。保存血清のインスリン測定は、本年度は以下の条件を持つ者から開始した。症例として、平成9年4月1日の観察開始時点より平成12年8月末までに報告された男性従業員の脳卒中9例および心血管事故(心筋梗塞、狭心症、突然死)19例の計28例を、また対照として、対象疾患の既往歴がなく、発症もしなかった者の中から症例に対して職域、年齢階級、喫煙習慣、飲酒日数/週、飲酒量のそれぞれを一致させた対照を1:3の割合で無作為に抽出した。健診成績を含めた結果は、心事故例では対照群に比し空腹時血糖が高い傾向にあり、ヘモグロビンAlc、インスリンが有意に高値であった。脳卒中例では逆に対照群に比し空腹時血糖、ヘモグロビンAlcは低値であったが、インスリンは心事故例と同様高値を示した。しかしながら脳卒中例においてはHbAlcを除き統計学的に有意差はなかった。心事故例、脳卒中例ともにベースライン時のBMIは対照群に比し高かった。一方20歳代半ば頃からのBMIの変化は心事故例では対照群に比し大きいのに対し、脳卒中例では対照群よりもその値が小さかった。 本年度の研究過程で、男性従業員のうち約2800名の入社時よりの健診成績(主に体重と血圧)が存在することが判明した。この情報を得ることは、本研究をさらに発展させる可能性があると判断したため、調査後、データベースへの追加作業を行い利用可能とした。
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