2001 Fiscal Year Annual Research Report
Multiple Risk Factor Syndromeの疫学的病態解明
Project/Area Number |
12670352
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
玉腰 浩司 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 講師 (30262900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊嶋 英明 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10023657)
近藤 高明 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (00195900)
八谷 寛 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30324437)
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Keywords | Multiple Risk Factor Syndrome / 血清インスリン / C反応性蛋白 / Metabolic Syndrome / 動脈硬化 |
Research Abstract |
平成13年度は、既に完成している平成11年度までの健診成績データベースに平成12年度分の追加作業を行った。保存血清の血清インスリン測定については約3700人の測定を行った。また、同時に、近年、心血管事故発症の予測に有効といわれている高感度C反応性蛋白(hs-CRP)の測定を行った。CRPは動脈硬化に起因する全身の低炎症状態を反映しているといわれており、Multiple Risk Factor Syndromeの病態の解明に十分寄与する項目と思われる。そこで、CRPと高インスリン血症を含むMetabolic Syndrome(MS)との関連を検討した。スピアマンの順位相関係数による相関分析では、BMI値、血清TC値、TG値、LDL-C値、血糖値、インスリン値、尿酸値、収縮期血圧値、拡張期血圧値はCRP値と有意な正の相関を示し、血清HDL-C値は有意な負の相関を示した。従属変数を軽度あるいは中等度CRP上昇の有無、独立変数を年齢、喫煙状況、各々9つのMSの有無としたロジスティック重回帰分析では、肥満、高TG血症、高LDL-C血症、糖尿病、高インスリン血症、高尿酸血症が、軽度(0.06mg/dl以上)及び中等度(0.11mg/dl以上)CRP上昇のいずれとも有意な正の関連を示した。低HDL-C血症、高血圧症は、中等度CRP上昇と有意な正の関連を示した。また、肥満は軽度及び中等度CRP上昇のいずれともMSの中で最も強い関連を示した。高TC血症とCRP上昇の間には有意な関連はみられなかった。同様に、MSの集積とCRP上昇との関連を検討した。MSが集積するほど軽度、中等度CRP上昇との関連が強くなる傾向がみられた。MS及びその集積は、CRP上昇即ち全身の低炎症状態と関連がみられた。今後は、健診成績データベースを利用してMSの発症とインスリン抵抗性との関連を検討していく予定である。
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