Research Abstract |
本介入研究は、地域高齢者の老化の進行を遅らせる手段と施策の開発を目的として、2000年度より3年計画で開始された。2001年度は,介入地域の行政が提供する既存の住民サービス事業と連携し,地域在宅高齢者の食生活改善,余暇活動と運動習慣の推進をテーマに介入プログラムを組み立て展開した.食生活改善プログラムでは,「高齢者の低栄養を予防するための食生活指針(試案)」を挙げ,食品摂取の多様性を促し,特に魚介類に偏らない動物性たんぱく質食品(肉類:魚介類、摂取重量比=1:1)と油脂類の適正摂取を強調した.余暇活動と運動習慣の促進に関しては,「上下肢の痛み緩和のための体操」,「趣味を生かそう」,「グループ活動へ参加しよう」,「遊びのすすめ」などのプログラムを行った.介入プログラムを展開した主な事業は,老人クラブ学習会,健康大学,栄養改善講習会,栄養改善地域伝達講習会,地域巡回健康学習会である.各活動の実績は,老人クラブ学習会;実施回数15回,参加人数760名,健康大学;同2回,同202名,栄養改善講習会;同4回,同393名,栄養改善地域伝達講習会;同55回,同1202名(2002年3月10日現在)であった.介入効果の中間評価のため,地域高齢者約350名の食品摂取頻度の変化を調査したところ,肉類の摂取頻度の有意な増加が認められた. 2002年度は介入プログラムの効果を総合的に評価するため,65歳以上の住民約1300名を対象に7月23日より9日間にわたり,ベースライン調査と同様の方法を用いた医学検診と面接聞き取り法による総合健康調査を行う.介入効果を評価する観察変数は,15食品群の摂取頻度,血清アルブミン,ヘモグロビン,BMIなどとする予定である,
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