• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2000 Fiscal Year Annual Research Report

グリア細胞の変化を指標とした法医学的診断と死亡までの時間の推定に関する研究

Research Project

Project/Area Number 12670398
Research InstitutionKagoshima University

Principal Investigator

小片 守  鹿児島大学, 医学部, 教授 (10152373)

Keywordsグリア細胞 / アストロサイト / GFAP / 虚血 / 酸素欠乏 / 頭部外傷 / 死体現象 / 細胞壊死
Research Abstract

アストロサイト(AC)の変化,特に核濃縮像や突起崩壊像といった変化が,様々な死因の解剖例において,受傷から死亡までの時間を推定するための補助的指標となり得るか否かについて検討した。
外傷による影響を除くため,頭部外傷のない法医解剖例48例(縊死3例,絞死5例,扼死3例,溺死8例,刺創による失血死13例,虚血性心疾患4例等を含む)の脳梁標本等について,glial fibrillary acidic protein(GFAP)に対する抗体を用いてACを免疫染色しヘマトキシリンで対比染色した。AC30個を観察し核が縮小してクロマチンが見えないACを15個以上認めた例を核濃縮像陽性と判定した。核濃縮像や突起崩壊像の有無と,受傷から死亡までの時間,死後経過時間や脳保存期間との関係について検討した。
全48例中27例に核濃縮を認め,うち25例は種々の死因により受傷後1時間未満で死亡した例であった。逆に1時間未満で死亡した27例のうち25例(93%)に核濃縮像を認めた。特に,受傷後短時間で死亡した絞死5例,扼死3例では全例に核濃縮を認めた。刺創による失血死13例をみると,1時間未満で死亡した6例全てに核濃縮を認めた一方,それ以上生存した7例には全く認めなかった。なお,突起崩壊像と死亡までの時間との関連は明らかではなかった。核濃縮の存否と死後経過時間や脳保存期間との間に関連を認めなかった。
以上のことから,このGFAP染色によるAC核濃縮像の観察は受傷から死亡までの期間を推定する上で有用で,しかも簡便で判定しやすいため法医実務に応用する価値があるものと考える。

URL: 

Published: 2002-04-03   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi