2000 Fiscal Year Annual Research Report
GABAアミノ基転移酵素活性に対する嫌酒薬とアルコールによる阻害機構
Project/Area Number |
12670410
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
玉木 七八 神戸学院大学, 栄養学部, 教授 (30068241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀川 陽子 神戸学院大学, 栄養学部, 実験助手 (40309422)
松田 広一 神戸学院大学, 栄養学部, 助手 (70278795)
坂田 成子 (藤本 成子) 神戸学院大学, 栄養学部, 助教授 (30165419)
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Keywords | GABA / β-アラニン / アミノ基転移酵素 / 嫌酒薬 / ジスルフィラム / エタノール / アルコール |
Research Abstract |
GABAアミノ基転移酵素(GABA-T;EC 2.6.1.19)はアミノ基供与体としてGABA以外にβ-アラニン、L-β-アミノイソ酪酸を利用する。GABA-Tは脳に最も活性が強く、続いて肝臓、腎臓に活性が強い。GABAは脳に約4mM存在するに対し、肝臓にはほとんど存在しない。β-アラニンは肝臓、腎臓に約0.1〜0.2mM含まれる。GABA-Tは脳ではGABAシャントを形成しGABAの代謝に、肝臓や腎臓ではβ-アラニンの分解に関与している。ちなみにβ-アラニンはピリミジン塩基のウラシルやシトシンの中間代謝産物である。 エタノールによるチロシンアミノトランスフェラーゼ(TAT)活性の上昇が知られている。ラットにジスルフィラムをあらかじめ経口投与し、30分後にエタノールを飲ますとTAT活性の上昇が更に増強した。ジスルフィラムはアルデヒド脱水素酵素阻害剤で嫌酒薬である。GABA-Tに対しては相反する結果を得た。GABA-T活性は強く阻害され、その阻害は時間経過に対し、指数関数的に減少した。GABA-T mRNAも減少することからGABA-Tタンパク質の合成阻害を含むことを示唆する。エタノール、アセトアルデヒド、ジスルフィラムそれぞれの単独投与ではGABA-T活性に影響を与えなかった。生体内でジスルフィラムとエタノールによる影響物質の生成を予測した。最初に、ジスルフィラムが体内で二硫化炭素を生成することから二硫化炭素とエタノールを経口投与したがGABA-T活性に影響を与えなかった。次いで、エタノールアミン-O-サルフェートの生成の可能性を検討している。事実、エタノールアミン-O-サルフェートをラットに腹腔内投与すると強くGABA-T活性が抑えられることを認めている。
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Research Products
(1 results)