2000 Fiscal Year Annual Research Report
サルコイド肉芽腫内でのP.acnesの局在と菌体成分中の責任抗原の同定
Project/Area Number |
12670425
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中田 安成 岡山大学, 医学部, 教授 (80112150)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 秀治 岡山大学, 医学部, 助教授 (50220009)
唐下 博子 岡山大学, 医学部, 助教授 (10197840)
片岡 幹男 岡山大学, 医学部, 教授 (50177391)
崎山 順子 岡山大学, 医学部, 助手 (40204599)
|
Keywords | サルコイドーシス / プロピオニバクテリウムーアクネス / サルコイド肉芽腫 |
Research Abstract |
1.Propionibacterium acnes(P.acnes)成分を発現する蛋白質ライブラリーの作製; 患者より生検にて得られた、リンパ節をホモゲナイズし、2〜3週間嫌気性培養してP.acnesを分離した。アルカリーSDSを用いて調整したP.acnesDNAに制限酵素(BamH 1及びSma I)処理をしてP.acnes由来DNAを得た。得られたDNA断片をHisタグ発現ベクターに組み入れDNAライブラリーを調整し、大腸菌M15株を形質転換してP.acnes成分を産生する組み替え体を作成中。 2.気管支肺胞洗浄液中細胞よりのP.acnesDNAの検出; サルコイドーシス患者の気管支肺胞洗浄液中細胞をGAM平板培地に播き、最長3週間嫌気性培養し、培地上にコロニーが認められたものは半流動高層培地で増菌した。分離したP.acnesからSepa GeneDNA抽出キットを用いてDNAを抽出・精製した。PCRは22塩基対と21塩基対からなる2組のP.acnes特異的プライマーを用いて行った。外側と内側でden aturation(94℃、1分)、anneal(58℃、1.5分)、extention(74℃、1分)を40サイクルづつ、2回のPCRを行う、Nested PCR法により行った。得られたPCR産物は3%アガロースゲル上で電気泳動し、エチュジュウムブロマイドで染色確認した。使用したプライマーの特異性をP.acnes標準株ATCC11828株、臨床分離株3株、対照として結核菌臨床分離株10株、非定型抗酸菌分離株10株にて検討したが、P.acnes株ではいずれもバンドは検出されたが、対照とした菌株からはバンドは検出されなかった。サ症患者10例の気管支肺胞洗浄液細胞からは7例(70%)にバンドが認められたが、対象患者6例からは1例(17%)と低率であった。 3.病巣におけるP.acnes局在の検討; 塗沫した気管支肺胞洗浄液液中細胞をAmeXで固定し、除蛋白したのちpolymeraseの混合液と共にサーモサイクラーでPCRし、ジゴキシゲニンでラベルしたプローブhybridizさせて、抗ジゴキシゲニン抗体結合アルカリフォスファターゼを反応した後、発色させ、P.acnesの局在を追求している。その基礎的検討として本法の最適染色条件・特異性を検討中である。
|