2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670428
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中島 衡 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (70188960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大塚 毅 九州大学, 医学部・附属病院, 助手 (50213773)
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Keywords | 結核 / 疾患感受性 / インターロイキン12レセプター(IL-12R) / 一塩基多型(SNP) |
Research Abstract |
結核に代表される細胞内寄生性病原体の感染防御における1型サイトカイン関連分子の重要性を示す近年の数ある報告を受け、我々はインターロイキン12レセプター(IL-12R)の遺伝子多型解析を行った。同意の得られた健常者、結核患者の末梢血よりRNAを分離し、多型解析には、2本のIL-12R、β1/β2鎖各々についてRT-PCR-SSCP法を用いた。ダイレクトシークエンス法により塩基配列を決定した結果、β1鎖の細胞外部分に合計4カ所の一塩基多型(SNP)を認め、その内3カ所にアミノ酸置換を認めた(Q214R,M375T,G378R)。特定の制限酵素を用いたミスマッチPCR-RFLP法およびシークエンス法によるgenotypingの結果、4カ所のSNPには完全な連鎖不平衡の関係が認められ、Q214-M375-G378(wild型;WT)およびR214-T375-R378(mutant型;mt)の2種類のβ1遺伝子の存在を同定した。β2鎖には明らかな多型は認められなかった。これらの結果をもとに結核患者を用いて患者対照関連解析を行ったところ、β1多型アリルのヘテロ群(WT/mt)でオッズ比1.51(p=0.14)、ホモ群(mt/mt)では2.30(P=0.017)とカイ二乗検定にて有意差を認めるに至り、遺伝学的にβ1遺伝子多型が、結核の疾患感受性に寄与する遺伝子の一つであることが示唆された。さらに機能的な差異を検討するため、WT/WT型、mt/mt型それぞれのβ1遺伝子型をもつ健常者末梢血よりCD2陽性細胞を分離し、機能解析を行った。増殖アッセイ、IFN-γ誘導アッセイ等の解析により、mt型でのIL-12に対する反応性の低下が示され、IL-12/IFN-γ経路への生物機能的な関与が示唆された。以上の結果より、IL-12Rβ1遺伝子多型が、1型サイトカイン活性化経路に部分的な機能障害を引き起こし、一般集団における結核菌への選択的易感染性に寄与している可能性が示された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Akahoshi M.: "Reply to the comment by Reuss-Borst et al."Arthritis Rheum. 43・3. 711-712 (2000)
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[Publications] Ishikura R: "Factors correlated with emotional instability in SLE outpatients."Mod Rheumatol. 10・. 31-37 (2000)
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[Publications] Horiuchi T: "Mannose binding lectin(MBL) gene mutation is not a risk factor for systemic lupus ervthematosus(SLE) and rheumatoid arthritis(RA) in Japanese."Genes and Immunity. 1・. 464-466 (2000)
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[Publications] Masutani K: "Predominance of Th1 immune response in diffuse proliferative lupus nephritis."Arthritis Rheum. (in press). (2001)