2000 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患におけるステロイド抵抗性免疫異常の制御
Project/Area Number |
12670451
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
蘆田 知史 旭川医科大学, 医学部, 助手 (50261409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高後 裕 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10133183)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 潰瘍性大腸炎 / glucocorticoid receptor / hGR beta |
Research Abstract |
本研究では,炎症性腸疾患患者末梢血単核球中に増加しているhuman glucocorticoid receptor beta isoform(hGRb)発現細胞の機能およびこれを誘導する因子を解析し,炎症性腸疾患でみられるステロイド抵抗性おおび種々の免疫異常との関連を検討する。また,異常に増殖分化するリンパ球およびマクロファージにおいてhGRaまたはhGRbを高発現させることで,免疫異常を調節する方法を確立し,炎症性腸疾患の新しい治療法開発の基礎とすることを目的とする。 平成12年度は, 1.潰瘍性大腸炎およびCrohn病症例の末梢血におけるhGRa,hGRb mRNAの定量を行い,hGRbの発現が活動期およびステロイド抵抗性潰瘍性大腸炎で3-10倍に増加していることを見いだした。 2.潰瘍性大腸炎におけるhGRb mRNA発現量の経時的解析を行い,誘導因子の候補として炎症性サイトカインと外因性ステロイドホルモン投与があげられた。 3.hGRa,bの全長を含む発現ベクターを作成した。 4.ステロイド誘導性apoptosis感受性,および抵抗性を示すT細胞株をサブクローニングし,hGRa,bのトランスフェクションによる免疫調節の可能性を検討するin vitro実験系を作成した。 上記に至る研究の成果は,論文および米国消化器病学会(#1881;Induction of dominant-negative regulator for glucocorticoid receptor observed in IBD patients F.Orii,T.Ashida,A.Maemoto,T.Ayabe,T.Fujiki,M.Fujiya,K.Fujiya,Y.Saitoh,K.Harada,T.Obara and Y.Kohgo2000.5.22,DDW 2000(AGA),2000.5.22(San Diego))で報告した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Honda M,Orii F,Ayabe T,Imai S,Ashida T,Obara T,Kohgo Y: "Expression of glucocorticoid receptor beta in lymphocytes of patients withglucocorticoid-resistant ulcerative colitis."Gastroenterology. 118(5). 859-866 (2000)
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[Publications] F.Orii,T.Ashida,Y.Kohgo: "Molecular Mechanism of Glucocorticoid Resistance"Gastroenterology. 119(4). 1178-1179 (2000)