Research Abstract |
まずB型,C型,およびD型肝炎ウイルス蛋白発現のためのplasmid構築を行った.B型肝炎ウイルス蛋白のS,C,Pre-C,DNApolymerase,Xの6種,C型肝炎ウイルス蛋白のcore,NS2,NS3,NS4A,NS4B,NS5A,NS5Bの7種,D型肝炎ウイルス蛋白のlarge抗原,small抗原の2種を哺乳動物細胞内で発現するplasmidが得られた.また,inflammatory cytokineとしてTNF-α,IL-1β,IL-8,IFN-γの発現調節領域を有するreporter plasmid,またapoptosisにかかわる遺伝子群としてp21,Bax,Fasの発現調節領域を有するreporter plasmidを入手,あるいは構築した.これらを用いて,肝癌細胞株内遺伝子導入により肝炎ウイルス蛋白がinflammatorycytokine発現に及ぼす影響の検討を行った.その結果,C型肝炎ウイルスcore蛋白がNF-κB pathway,AP-1 signaling,MAPK cascadeを活性化すること,また,IL-1β,IL-8,p21 promoterを活性化することが明らかになった.また,D型肝炎ウイルスlarge抗原がSRF-associated pathwayを活性化することが判明した.C型肝炎ウイルスcore蛋白がNF-κB pathwayを活性化する機序として,TNF receptor associated factorを介していることを見出した.またp21 promoterを活性化する機序として,p53と結合し,p53のDNA結合能を増強すること,およびhTAFII28と結合し,p53の転写活性化能を増強することを明らかにした.
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