2001 Fiscal Year Annual Research Report
Subtraction法による肝疾患特異的遺伝子発現の解析
Project/Area Number |
12670467
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
榎本 信幸 東京医科歯科大学, 医学部・附属病院, 講師 (20251530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒崎 雅之 東京医科歯科大学, 医学部・附属病院, 助手 (10280976)
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Keywords | subtraction / 肝細胞癌 / 慢性肝炎 / 自己免疫性肝炎 / 原発性胆汁性肝硬変 |
Research Abstract |
(1)肝細胞癌に関連する遺伝子発現profileの検討 肝細胞癌から周辺非癌部に発現する遺伝子を差し引くことにより、肝癌特異的発現を示す遺伝子群を同定した、Gia, GS、pepsinogen C, focal adhesion kinase, DCCなど肝癌や他の悪性腫瘍との関連が示唆されている遺伝子群を同定、さらに数種類の未知の遺伝子も検出し、肝癌に関連する新たな遺伝子と考えられた。逆に非癌部から癌部を差し引くことにより増殖抑制因子であるdecorinのHCCでの発現抑制を見い出した。 (2)各種慢性肝疾患に関連する遺伝子発現profileの検討 C型慢性肝炎、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変における肝内発現遺伝子を、SSHにより正常肝臓ないしは異なる病態を示す肝臓での発現遺伝子と比較解析し、肝疾患の病態を規定している遺伝子発現に関する情報を得た。。 慢性C型肝炎からinterferon治療後の肝臓で発現する遺伝子をsubtractすることによりinterferon-gammaによる誘導されるchemokineであるIP-10を見い出した。IP-10は自己免疫性肝炎から正常肝をsubtractしても検出されており、この分子が肝炎発症のkey moleculeであることが示唆された。原発性胆汁性肝硬変の解析でもPBCの肝内ではミトコンドリア遺伝子が高発現しているという極めて独創的な結果を得た。 (3)肝疾患特異的発現遺伝子群の分析、応用(榎本、黒崎) Subtractionにて分離された未知遺伝子のcharacterizationを行い、それぞれの疾患におけるこれらの遺伝子の役割を順次明らかとするため、subtractionにて得られた遺伝子断片より、全長cDNAをRACE法、cDNA library screeningにてcloningし、アミノ酸配列を明らかとし、homology, motif検索を行った。。 一方、臨床的には疾患特異的に発現変化する遺伝子を利用して、新たな診断および治療法の開発目的として、疾患特異的に発現する遺伝子をマーカーとすることにより早期診断および治療経過のモニターに利用を試みた。 (4)DNA arrayによる解析(黒崎) Subtractionにより特異的遺伝子を濃縮したのちにDNA arrayによる発現遺伝子の分析を行うことにより、より効率的に遺伝子発現profileの相違を検討についての予備的解析を行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Miyasaka Y: "Analysis of differentially expressed genes in human hepatocellular carcinoma using suppression subtractive hybridization"Br J Cancer. 85. 228-234 (2001)
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[Publications] Nagayama K: "Overexpression of interferon gamma-inducible protein 10 in the liver of patients with type I autoimmune hepatitis identified by suppression subtractive hybridization"Am J Gastroenterol. 96. 2211-2217 (2001)