2000 Fiscal Year Annual Research Report
膵癌細胞におけるビタミンD,TGFβシグナル伝達系クロストークの検討
Project/Area Number |
12670471
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
川 茂幸 信州大学, 医学部, 助教授 (10177628)
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Keywords | 膵癌 / ビタミンD / TGFβ / PPARγ / troglitazone / p21 |
Research Abstract |
1.膵癌細胞におけるビタミンD,TGFβシグナル伝達系クロストークの検討: 5種の膵癌細胞株Hs700T,Capan-1,BxPC-3,Hs766T,SUP-1に対するTGFβとビタミンD3(vitD)の増殖抑制効果を比較したところ両者に対する反応性は一致していた。また、5種の細胞についてTGFβシグナル伝達系の最終段階に位置する転写因子smad4をSourthern blotting, Northern blottingで検討すると、TGFβ反応性であるBxPC-3で発現を認めなかったことより、vitDとTGFβシグナル伝達系にクロストークの存在が考えられた。VitD,TGFβ反応性でsmad4を発現しているSUP-1とHs700TにVDRE3-Lucをtransfectionして、vitDとTGFβを反応させVDRの転写活性能を検討したが、vitDにて転写能の亢進を認めたが、TGFβでは認めなかった。BxPC-3において同様の検討を行っているが、transfectionが困難であり未だ結論が得られていない。 2.PPARγリガンド,troglitazon,の膵癌細胞株に対する分化誘導効果の検討: PPARγリガンド,troglitazonの9種の膵癌細胞株に対する増殖抑制効果を検討した。10mMの濃度で、6種で著明な増殖抑制効果を認めた。増殖抑制効果はG1 phase cell cycle arrestとリンクしており、CDK inhibitor p21 mRNA,p21蛋白の発現亢進、CDK2 kinase activityの低下、Rb蛋白の低リン酸化を認めた。従って、troglitazoneの増殖抑制効果はp21の誘導を介するものであると考えられた。また、増殖抑制効果は細胞分化を伴っていた。
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Research Products
(1 results)