2000 Fiscal Year Annual Research Report
TNF-αノックアウトCTLを用いた肝炎ウイルス排除機構の研究
Project/Area Number |
12670474
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
安藤 量基 岐阜大学, 医学部・付属病院, 助手 (20265276)
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Keywords | CTL / HBV / TNF-α |
Research Abstract |
CTLによる肝細胞障害およびウイルス排除のメカニズムを検討するにあたって、その重要なメディエーターと考えられているTNF-αのknockout CTLを用いることは極めて有効な手段である。樹立したTNF-α knockout CTLクローンを維持し、HBVトランスジェニックマウスと組み合わせて、in vivoにおけるTNF-αの担う役割を検討することが課題となる。現在まで判明したTNF-α knockout CTLについての知見について整理する。 1)TNF-α knockout mouseからのHBV特異的CTLの誘導は極めて困難であること 最も強力なin vivoの免疫方法と考えられているplasmid immunizationを用いても、一回法では全く誘導できず、さらに強力な脾臓内に免疫する方法でも誘導できなかった。Plasmid immunizationを2回繰り返すことにより、特異的障害活性が約10%のCTL lineを誘導できたが、in vitroでは2週目には細胞障害活性は消失した。この免疫法で得られた脾細胞にwild type mouseの脾細胞をMMC処理して加えた場合、細胞障害活性は3週間維持できた(a)。 2)TNF-α knockout mouseにもHBV特異的CTL cloneは存在する。 aで得られたCTL lineから限界希釈法でクローニングしたところ、HBV特異的障害活性を有するクローンが得られた。 3)1-aで得られたCTL lineはTNF-αを添加することで、より増殖したが、wild typeのCTLは同濃度のTNF-α添加によって増殖能は著しく低下した。以上の結果より、HBV特異的CTLのprecursor cellはTNF-α knockout mouseにも存在するが、そのin vivoでの分化にはTNF-αが極めて重要な因子であることが明らかとなった。また、実験3の結果からは、mature CTLであっても、適度な濃度のTNF-αが存在しないと増殖はできないことが判明した。 TNF-αはHBV特異的CTLの分化・増殖の両者に必須の因子であることが明らかとなったが、今後は長期的に維持可能なTNF-α knockout CTLクローンの樹立に着手したい。
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Research Products
(1 results)