2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670486
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小出 典男 岡山大学, 医学部, 教授 (20142333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真治 紀之 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (70314680)
草地 省蔵 岡山大学, 医学部, 教授 (30214943)
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Keywords | 細胞外マトリックス / TGF-β / CTGF / 肝再生 / コラーゲン / 部分肝切除 / D-ガラクトサミン肝障害 |
Research Abstract |
TGF-βは肝再生では2峰性の発現が知られており、後期の発現は増殖停止シグナルのみならず、増殖後の組織再構築に必要な細胞外マトリックス再構築にも働いているとされる。しかし、再生早期の一過性のTGF-βの作用の意義は明らかでない。肝再生での細胞外マトリックス再構築の重要性は指摘されているが、その実体は不明である。Immediately-early geneの一つCCN family (CTGF、cyr61、nov)の遺伝子産物が、組織修復の早期で、細胞外マトリックス再構築を担っていることが指摘されている。CTGFは結合組織損傷の治癒時にTGF-βによって発現が増強されることがわかっている。 我々は、70%部分肝切除やD-ガラクトサミン肝障害後の肝再生時にCTGFの遺伝子発現がどのように変化するかをまず試みた。CTGF、TGF-β1、I型コラーゲンのmRNAの発現をRNase protection assayで定量した。 部分肝切除時には、TGF-β1、I型コラーゲンは2-6時間後と12-48時間後に発現が増強された。CTGFは6時間後に増強したが、その後コントロールレベルまで、低下した。In situ hybridizationと肝星細胞の培養実験から、肝臓の類洞にそってCTGFを発現する細胞は星細胞であろうと推測された。D-ガラクトサミンの肝障害後にはCTGFは2-96時間で増強し、そのうち6-12時間で小さなピークと24時間でのメインピークを認めた。TGF-β1、I型コラーゲンは、今度はCTGFと同様の増強パターンを認めた。 70%部分肝切除やD-ガラクトサミンの肝障害後でCTGFの発現動態が異なることから、この二つの過程でCTGFの制御様式が異なることを示す。D-ガラクトサミンの肝障害後の壊死や炎症を伴った状態の後の再生過程においてはTGF-β1発現がより高値のためにCTGF発現が遷延するのかもしれない。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Kozo Ujike 他: "Kinetics of expression of connective tissue growth factor gene during liver regeneration after partial hepatectomy and D-galactosamine-induced liver injury in rats"Biochemcal and Biophysical Research Communications. 277(2). 448-454 (2000)
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[Publications] Shoji Hirasaki 他: "Expression of the human Nov, Cyr61 and CTGF (CCN family) in human hpatocellular carcinoma.."Hepatology Research. 19(掲載予定). (2001)
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[Publications] Shin Ogawa 他: "Increase in CD95 (Fas/APO-1)-positive CD4+ and CD8+ T cells in peripheral blood derived from patients with autoimmune hepatitis or chronic hepatitis C with autoimmune phenomena."Journal of Gastroenterology and Hepatology. 15(1). 69-75 (2000)
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[Publications] K. Takeda 他: "Greater than normal expression of the collagen-binding stress protein heat-shock protein-47 in the infarct zone in rats after experimentally-indtuced myocardial infarction."Coron Artery Dis. 11(1). 57-68 (2000)
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[Publications] M.Nakahama 他: "Expression of perlecan proteoglycan in the infarct zone of mouse myocardial infarction."J Mol Cell Cardiol. 32(6). 1087-1100 (2000)
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[Publications] 真治紀之 他: "Annual Review 消化器 2001"中外医学社. 6 (2001)
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[Publications] 山本和秀 他: "肝・胆・膵フロンティア10号"診断と治療社. 6 (2000)