2001 Fiscal Year Annual Research Report
赤外線蛍光内視鏡を用いた食道静脈瘤の微細血管構築に関する研究
Project/Area Number |
12670492
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
柴田 啓志 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (50281168)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
六車 直樹 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (90325283)
伊東 進 徳島大学, 医学部, 教授 (70093838)
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Keywords | 赤外線蛍光内視鏡 / ICG / 食道静脈癌 / 診断 |
Research Abstract |
われわれ体消化管癌に対する新しい診断法を確立するために赤外線蛍光内視鏡を開発した.これまでに赤外線蛍光内視鏡と赤外蛍光標識物質であるインドシアニングリーン(ICG)誘導体標識抗体を用い,胃癌手術標本の特異的蛍光の観察に成功した(Endoscopy 33:849-853,2001).一方,ICG静注下における赤外線内視鏡観察は食道静脈瘤をはじめとする血管病変の観察に有用とされ幅広く応用されている.しかし,赤外線内視鏡と赤外線蛍光内視鏡の血管病変における感度比較に関しては報告がみられない.そこで食道静脈瘤症例に対しICG静注下に赤外線蛍光内視鏡を用い,その感度に関する検討を行った.食道静脈瘤患者12症例に対し,体重あたり濃度の異なるICG(2mg/kg,0.2mg/kg,0.01mg/kg)を静注し,得られた赤外蛍光画像を比較検討した.ICG濃度が2mg/kg,0.2mg/kgでは食道粘膜全体が強い白色の赤外蛍光に置換され,正常粘膜と静脈瘤との識別が困難であった.0.01mg/kgの濃度では通常観察における静脈瘤に一致して明瞭な赤外蛍光が得られた.赤外線蛍光内視鏡は従来の赤外線内視鏡に比し,極めて微量のICG静注下で食道静脈瘤の観察が可能であり,今後,消化管における血管病変への応用に際し,新しい診断用機器として大きな可能性を有するものと考えられた.以上の内容は第60回日本消化器内視鏡学会総会DDW-Japan合同プレナリーセッション,第61回日本消化器内視鏡学会総会ビデオシンポジウム,2001 Annual Meeting of American Society of Gastrointestinal Endoscopy at DDWで発表した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Susumu Ito: "Detection of human gastric cancer in resected specimens using a novel infrared fluorescent anti-human carcinoembryonic antigen antibody with an infrared fluorescence endoscope in vitro"Endoscopy. 33. 849-853 (2001)
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[Publications] Terumi Bando: "Basic Studies on a labeled anti-mucin antibody detectable by infrared-fluorescence endoscopy"Journal of Gastroenterology. 36(In press). (2002)