2002 Fiscal Year Annual Research Report
インターフェロン受容体遺伝子導入による抗C型肝炎ウイルス活性の増強機構
Project/Area Number |
12670505
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
田中 克明 横浜市立大学, 医学部附属病院, 教授 (10201617)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / インターフェロン受容体 / IFNAR1 / IFNAR2 |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルス(HCV)感染の治療として用いられるインターフェロン(IFN)の感受性に関わる宿主側因子のひとつとして、IFN受容体の発現とIFN治療効果との間には有意の相関がある。そこで、IFN受容体を高発現させることでウイルス排除の効率を上げることが可能かどうかをPH5CH8株を用いたHCVの感染実験系を用いた検討を行ってきた。最終的にはこれらの細胞にIFN受容体(IFNAR1、IFNAR2)遺伝子を導入しても、1)肝細胞に対するHCVの感染を抑制しないこと、2)HCVの感染が成立した肝細胞にIFNを投与してウイルスを排除させる実験系においても、IFN受容体導入細胞がIFNによるウイルス排除の効率をあげることは認められなかった。そこで、外的にIFN受容体を刺激する可能性のある因子の検討を行った。 IFNと併用することでウイルス排除の効率を上げるリバビリンを用いた場合のIFN受容体の発現を検討したところ、IFNとリバビリン併用療法の著効例と有効例では肝組織中のIFNAR1とAR2受容体の発現を高率に認めたが、無効例ではIFN受容体の発現は低率であった。ミルク中の主要なたんぱく質のひとつであるラクトフェリンをIFN-リバビリン併用療法に上乗せするとIFN受容体の発現のない症例でもHCV RNAの陰性化が得られ、その結果、IFN投与終了時のHCV RNAの陰性化率は向上した。しかしながら、末梢血を用いたcDNAアレイ解析ではラクトフェリン単独ではIFNAR2の発現に有意の変動は認めていない。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hara K, Tanaka K, et al.: "Lactoferrin inhibits hepatitis B virus infection in cultured human hepatocytes"Hepatol Res. 24(3). 228-235 (2002)
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[Publications] Okada S, Tanaka K, et al.: "Dose-response trial of lactoferrin in patients with chronic hepatitis C"Jpn J Cancer Res. 93(9). 1063-1069 (2002)
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[Publications] Sobao Y, Tanaka K, et al.: "The role of hepatitis B virus-specific memory CD8 T cells in the control of viral replication"J Hepatol. 36. 105-115 (2002)