2000 Fiscal Year Annual Research Report
腸間膜リンパ節辺縁リンパ洞を場とした細胞間相互反応の検討
Project/Area Number |
12670515
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
永田 博司 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00146599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南谷 晴之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70051779)
末松 誠 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (00206385)
鈴木 秀和 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70255454)
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Keywords | リンパ節 / 辺縁洞 / リンパ球ホーミング / マクロファージ / 癌転移 / 樹状細胞 / 細胞間相互反応 |
Research Abstract |
1.ラット腸間膜リンパ節におけるリンパ管分布とリンパ球ホーミングの局所動態 リンパ球が腸間膜リンパ節へ遊走する経路として、リンパ節の高内皮細静脈を通過する経路と輪入リンパ管を経由する経路がある。我々は両者の経路をin vivoで直接観察した。静注したリンパ球はパイエル板の濾胞間領域の細静脈に接着した。腸間膜リンパ節の細静脈にはリンパ球の接着は認められなかった、輸入リンパ管には多数のリンパ球が認められ、輸入リンパ管の収縮運動に同期して、リンパ節に向かって流れていた。輸入リンパ管終末からリンパ球は放射状に流出し、リンパ節の濾胞間領域に分布する辺縁洞に流入し、静止した。輸出リンパ管には蛍光標識リンパ球の流入は認めなかった。腸間膜リンパ節へのリンパ球ホーミングは経リンパ管経路が主体であり、リンパ球は辺縁リンパ洞に接着し、輸出リンパ管には直通では移行しない。 2.腸間膜リンパ節在住マクロファージの可視化と遊走動態 蛍光標識微粒子またはFicollを取り込ませることにより腸間膜リンパ節マクロファージをin vivoで可視化した。局注3時間後からマクロファージによる微粒子の貪食像が認められた。凍結切片でみるとED3陽性の辺縁洞下マクロファージの分布に一致していた。微粒子を貪食した辺縁洞下マクロファージは辺縁洞内またはリンパ実質内を髄質に向かって遊走した。 3.ラット腸間膜リンパ節に早期癌転移モデルの作成と抗原提示細胞との相互反応 腹水肝癌細胞を虫垂に局注後4日目のリンパ節の70%に癌細胞の増殖が認められた。癌細胞は辺縁洞内に増殖充満し、辺縁洞は拡張していた。7日後には癌細胞巣の多くは辺縁洞の内側を突破し、旁皮質領域に浸潤した。癌細胞の一部はアポトーシスに陥り、これをマクロファージが貪食していた。旁皮質に常在している樹状細胞は辺縁洞内には動員されず、増殖する癌細胞巣の周辺に分布していた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nagata Hiroshi: "In vivo observation of phagocytosis and migration of subsinus macrophge in the mesenteric lymph node"Proceedings of 21st European Conference on Microcirculation, edited by B.Fagrel. 61-65 (2000)
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[Publications] Nagata Hiroshi: "Lymphocyte homing pathway to mesenteric lymph node"Microcirculation Annual. 16. 83-84 (2000)
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[Publications] 原由里子: "脂肪酸鎖長の相違による小腸上皮間リンパ球IFN-γ産生への影響"消化と吸収. 23. 41-45 (2000)
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[Publications] 岸川浩: "物理的圧力負荷による小腸上皮細胞の増殖およびサイトカイン放出の検討"Cytoprotection & biology. 18. 49-51 (2000)
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[Publications] 鈴木秀和: "酸化ストレスとアポトーシス"GI Research. 8. 164-176 (2000)
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[Publications] Nagata Hiroshi: "In vivo identification of parasinus macrophage in the mesenteric lymph node"Clinical Hemorheology and Microcirculation. 22(発表予定). (2000)