2001 Fiscal Year Annual Research Report
腸間膜リンパ節辺縁リンパ洞を場とした細胞間相互反応の検討
Project/Area Number |
12670515
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
永田 博司 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (00146599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南谷 晴之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70051779)
末松 誠 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00206385)
鈴木 秀和 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70255454)
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Keywords | リンパ節 / 辺緑洞 / リンパ球ホーミング / マクロファージ / 癌転移 / 樹状細胞 / 細胞間相互反応 |
Research Abstract |
1)腸間膜リンパ節転移に対する遣伝子治療の担体として腸由来の樹状細胞を利用することを目的に、樹状細胞のin vivoでの動態を検討した。腸間膜リンパ節摘除6週後に胸管にカテーテルを挿入してリンパ液を採取した。比重遠沈法により樹状細胞を分離して蛍光染色した後、盲腸粘膜下層に注入し、盲腸間膜リンパ節はの移行を経時的に観察した。さらに接着因子の関与と樹状細胞の成熟化が遊走動態を修飾するか否かについて検討した。樹状細胞のリンパ節への移行は注入6時間後から認められ、48時間後に最大となり72時間後には減少した。抗ICAM-1抗体、抗CD11b/c抗体で前処置しても遊走動態に変化が認められなかったが、樹状細胞をTNFα、IL-4、GM-CSFで刺激するとMHC classIIとICAM-1の発現が増強し、リンパ節へ早期の移行が認めらた。すなわち樹状細胞を成熟化を促進させることにより遊走kineticsを促進させることがわかった。 2)腸管から遊離したAH130癌細胞は辺縁洞に流入しED3陽性マクロファージと接触する。この癌細胞にはmacrophage migration inhibitory factorの強い表出が認められた。dichloromethylenediphosphonic acid(DMDP)含有リポゾームを作成してリンパ管に注入し、腸間膜リンパマクロファージを枯渇化した場合の癌転移の変化を検討した。DMDP投与後4日-7日にわたって辺縁洞下、髄洞下に分布するED2陽性ならびにED3陽性のマクロファージは消失した。DMDP前処置ラットでは対照群と比して、リンパ節重量が増加しており、転移係数も増加していた。組織学的には癌細胞は辺縁洞内側の内皮を早期に突破し、皮質、労皮質に浸潤していた。すなわちリンパ洞下のマクロファージは癌リンパ節転移の第一線の内在性防御機構であることが示された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hokari Ryota: "Intercellular cell adhesion molecule-1 regulates movement into intestinal microlymphatics of rat Peyer's patches"JLeukocyte Biol. 70・6. 896-902 (2001)
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[Publications] Hokari Ryota: "Involvement of mucosal addressin cell adhesion molecule-1 (MAdCAM-1) in the pathogenesis of granulomatous colitis in rats"Clin Exp Immunol. 126・2. 259-265 (2001)
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[Publications] Nagata Hiroshi: "Visualization of macrophage migration in mesenteric lymph node of rat"Microcirculation annual. 17. 139-140 (2001)
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[Publications] Watanabe C: "Intravital observation of T-lymphocytes in the colonic microcirculation"Microcirculation annual. 17. 137-138 (2001)
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[Publications] 永田博司: "胃粘膜障害と微小循環障害-神経性ペプチドの関与とアルコールの影響"日医雑誌. 125・7. 10-13 (2000)