2002 Fiscal Year Annual Research Report
Tet-off HCV トランスジェニックマウスの確立、解析とDNAワクチンの効果
Project/Area Number |
12670520
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Research Institution | Jikei University School of Medicene |
Principal Investigator |
里井 重仁 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30205893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三條 明良 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60301529)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / トランスジェニックマウス / tet-offシステム / DNAワクチン |
Research Abstract |
前年度、tTA/LacZトランスジェニックマウスの確立の成功をうけて、LacZにかえC型肝炎ウイルス(HCV)の全長cDNAを組み込んだダブルトランスジェニックマウス(tTA/HCVマウス)を確立した。RT-PCR法による解析では、HCV Core領域およびNS5B領域のRNA transcripts発現はともに、tetracyclineの投与、非投与によって厳密に調節され、さらにその発現は肝臓にのみに限ることが確認された。タンパクレベルでの発現調節は、Core蛋白に対する高感度ELISAを用いて行い、やはり肝臓におけるtetracyclineの投与、非投与による厳密な調節を受けることを確認した。これらのことから、このtTA/HCVマウスはHCVcDNA全長遺伝子を調節発現することが示唆された。 生後二ヶ月目にtetracyclineを消退させたtTA/HCVマウス(Inducible群)では、16週齢より肝臓内にリンパ球浸潤を認め、20週齢には脂肪滴の出現が見られた。一方、tetracycline非投与の母体から出生して以降、tetracycline非投与としたマウス(constitutive群)では肝臓におけるリンパ球浸潤はみとめなかったが、生後11月齢には脂肪浸潤を認めた。 生後にを誘導発現するInducible群では、HCV蛋白に対する免疫寛容は受けず、C型肝炎小動物モデルとして有用であると考えられ、今後DNAワクチン接種などさらなる解析が期待される。
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