2000 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスコア蛋白と肝細胞内シグナル伝達制御
Project/Area Number |
12670525
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
荒川 泰行 日本大学, 医学部, 教授 (50059698)
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Keywords | C型肝炎 / コア蛋白 / 慢性肝障害 / 肝発癌 / MAPキナーゼ / 細胞内シグナル伝達 |
Research Abstract |
申請者はC型肝炎ウイルス(以下HCV)コア蛋白発現にて影響を受ける肝細胞内シグナル伝達経路について、HCVコア蛋白発現によるRaf/MEK/MAPキナーゼ経路の活性化に伴う遺伝子mRNAの発現量変化を検討した。HCVコア蛋白を安定的に発現するHepG2細胞株(HepΔNCTH細胞)よりmRNAを抽出し、c-fos・c-myc・heparin-binding EGF-like growth factor(HB-EGF)mRNAの発現量についてRT-PCR法・Northern blot法・RNase protection assayを用いて検討した。RT-PCR法およびRNase protection assayによる検討では、HCVコア蛋白を発現するHepΔNCTH細胞内におけるc-myc・HB-EGF mRNA発現量は親株HepG2細胞株内での発現量に比べ約3-5倍に上昇していたが、HepΔNCTH細胞におけるc-fos mRNA発現量は親株での発現量に比べ約0.5倍と低下していた。Northern blot法では上記2法のような有意差は認めなかった。恐らく感度の差による結果と思われるが現在追試中である。さらにその翻訳産物(蛋白)の発現量をwestern blot法にて検討した。HepΔNCTH細胞抽出蛋白におけるc-Fos蛋白発現量は、親株での発現量に比べ若干の低下を認めた。c-Myc蛋白発現量はwestern blot法にて差異を認めなかったが、検出された蛋白量が少ないため、今後は35Sによる細胞ラベル/抗c-Myc抗体による免疫沈降法/SDS-PAGEが必要と考えられる。HB-EGF蛋白発現量もwestern blot法にて差異を認めなかったが、今後は可溶性分画について検討するため、細胞培養上清を用いたheparin agarose-chromatographyが必要と考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Aoki,H.: "Hepatitis C virus core protein interacts with 14-3-3 protein and activates the kinase Raf-1."Journal of Virology. 74. 1736-1741 (2000)
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[Publications] Hayashi,J.: "Hepatitis C virus core protein activates the MAPK/ERK cascade synergistically with tumor promoter TPA, but not with EGF or TGF-α."Hepatology. 32(5). 958-961 (2000)