2001 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎ウイルスのコアタンパク質の選択的RNA結合と生理学的意義
Project/Area Number |
12670527
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
伊達 孝保 金沢医科大学, 医学部, 教授 (50019676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 理 金沢医科大学, 医学部, 助手 (60288272)
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Keywords | C型肝炎ウイルス(HCV) / コアタンパク質 / RNA結合 / ERA / EMSA / PKR / 5'-非翻訳領域(5'-NCR) / 3'-非翻訳領域(5'-NCR) |
Research Abstract |
1)コアタンパク質のRNA結合領域を、タンパク質の断片を固定化したポリアクリルアミドゲルに^<32>P標識RNAを泳動してRNA結合領域を見るelectric retention assay(ERA)により調べたところ,コアタンパク質の8-18アミノ酸残基(RNA binding region I, RBR I)と46-80アミノ酸残基(RBR II)がRNA結合に関わっていた。このうちRBR Iのアミノ酸配列は他のRNA/DNA結合タンパク質と部分的相同性が見られ、RNA/DNA結合モチーフPKP(QST)RK(S/T)(R/K)Rが予測された。 2)二つのRNA結合領域(1-90アミノ酸残基)を含むGST-コアタンパク質を作製し,24塩基配列の合成ヌクレオチドをプローブにしてゲルシフトアッセイ(EMSA)を行った結果,コアタンパク質は一本鎖(ss)RNAに比べ二本鎖(ds)RNAに高い親和性を示した。 3)dsRNAに強い親和性を示すことからインターフェロンで誘導される二本鎖RNA依存性プロテインキナーゼPKRに対する効果をin vitroで見たところ、コアは強い阻害活性を示した。 4)HCVゲノムの5'非翻訳領域(5'-NCR)と3'非翻訳領域(3'-NCR)をいくつかのRNA断片に分け,標識ds RNAとの競合反応でコアタンパク質の高親和性領域を調べた結果,センス鎖においては5'-NCRのループ3dと3a領域が,3'-NCRにおいては3'X tailにあるループ1とループ3が強い競合活性を示した。アンチセンス鎖においては3'X tailにあるループ1とループ3のみが強い競合活性を示した。ところが3'X tailのループ1と3の間にあるループ2が加わると,ループ1あるいはループ3の競合活性はセンス鎖のみに見られた。以上のことから、コアタンパク質は3'X tail中のループ1とループ3にセンス鎖に対し高い親和性をもつことが明らかになった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Matsui T, Tanihara K, Date T: "Expression of unphosphorylated form of human double-stranded RNA-activated protein kinase in Escherichia coli"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 284. 798-807 (2001)
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[Publications] 関 徳玉, 伊達 孝保: "C型肝炎ウイルス(HCV)のコアタンパク質のRNA結合の特異性"金沢医科大誌. (in press). (2002)