2000 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠時無呼吸症候群の重症化の因子に関する研究-呼吸中枢機能及び上位中枢機能の役割
Project/Area Number |
12670542
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
飛田 渉 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10142944)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 慎一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20302094)
菊池 喜博 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20195217)
|
Keywords | 睡眠時無呼吸 / 呼吸中枢 / 上位中枢 / 炭酸ガス換気応答 / 低酸素換気応答 / 呼吸困難 / 鼻腔持続陽圧療法 |
Research Abstract |
目的:睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は頻回に生ずる無呼吸発作によって著しい低酸素血症や高炭酸ガス血症を来たし、多臓器障害を起こし得る。重症例では右心不全や難治性不整脈を来たし致死的状況に陥る。このような重症化の一因として、呼吸中枢機能の低下や上位中枢機能の低下が考えられる。本研究ではOSAS患者における呼吸中枢機能及び上位中枢機能を検討し、更にこれらの機能に対する鼻腔持続陽圧法の効果について検討した。方法:在宅睡眠呼吸モニターの結果入院となった症例に対し、睡眠障害の程度を示すアンケート調査(ESS)及び睡眠ポリグラフと共に、以下の3種類の検討を行った。(1)炭酸ガス負荷時の換気応答とP0.1応答及びボルグスケール法による呼吸困難感を求めた。(2)低酸素負荷時の換気応答とP0.1応答及びボルグスケール法による呼吸困難感を求めた。(3)吸気抵抗負荷時の呼吸困難感をボルグスケール法により評価した。更に、(4)治療のための鼻腔持続陽圧療法(CPAP)が適応となった症例に、治療開始2-3週後及び6-12カ月において上記の3種類の負荷テストを行い、鼻腔持続陽圧療法の短期効果及び長期効果を検討した。結果:(1)OSAS患者ではCPAP治療前において健常人より低酸素換気応答は亢進しており、一方、高炭酸ガス換気応答は低下していた。2週間のCPAP治療後、亢進していた低酸素換気応答は低下し、低下していた高炭酸ガス換気応答は増加した。これらの効果は治療継続3-6ヶ月後においても認められた。(2)CPAP治療前、患者群では吸気抵抗負荷時の吸気の努力感覚は健常人に比較して低下していた。CPAP治療開始2週間後には吸気の努力感覚は増加し、健常人と有意差が見られなくなった。結論:本研究ではCPAPの上気道の直接的な拡張作用以外に上位中枢および呼吸中枢機能に良い効果を及ぼすことが明らかになった。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Tun Y: "Effects of nasal continuous positive airway pressure on awake ventilatory response to chemical stimuli in patients with obstructive sleep apnea"Tohoku J Exp Med. 190. 157-168 (2000)
-
[Publications] Tun Y: "Inspiratory effort sensation to added resistive loading in patients with obstructive sleep apnea"Chest. 118. 1332-1338 (2000)