2001 Fiscal Year Annual Research Report
慢性閉塞性肺疾患発症に関わる遺伝的素因と環境因子の相互関係
Project/Area Number |
12670548
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Research Institution | CHIBA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
巽 浩一郎 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (10207061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白澤 浩 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00216194)
栗山 喬之 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20009723)
猪狩 英俊 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (50312947)
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Keywords | COPD / TNF-α / 喫煙 / PCR法 / low attenuation area / 遺伝子多型 / 気腫性変化 |
Research Abstract |
COPDは気道の炎症と肺胞構造の破壊が起こる疾患であり、気道の炎症を促進する可能性があるサイトカインであるTNF-αは、COPDの病因の一部に関与している可能性がある。そこで、喫煙歴のあるCOPD症例において、PCR-RFLP法を用い、このTNF-α遺伝子プロモーター領域-308の遺伝子多型(TNF-α-308^*1/2)を検討した結果、COPD全体としてTNF-α allele 2を有する頻度が高く、特に男性および若年発症者において高率にそれを認めた。この結果は、TNF-αはCOPDの発症・進展に関与している可能性を示唆している。 また、COPDの病因として肺胞上皮細胞のアポトーシスの関与が指摘されている。TNF-αはアポトーシスの誘導に重要な役割を持ち、allele 2はin vitroにおいてTNF-αの産生に関与することが示されている。そこで、このallele 2を持つCOPD患者はより強い気腫性変化を示す可能性があるとの仮説を立てた。COPD患者(n=84)において、肺野におけるlow attenuation area(LAA)の割合をvisual scoring systemにて評価し、visual score<11とvisual score>11の二群に分けた。それぞれの群におけるTNF-αの遺伝子多型を調べた結果、TNF-α-308^*1/2 alleleの頻度は、visual score<11(0.90/0.10)とvisual score>11(0.78/0.22)の2群で有意差が認められた(odds ratio=2.51;95% CI=1.01-6.21,P<0.05)。これらの結果よりTNF-α-308 allele 2は、COPD患者における気腫性変化の進展に関与する可能性が示された。
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Research Products
(1 results)