2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670552
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Research Institution | Tokyo Medical & Dental University |
Principal Investigator |
吉澤 靖之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20174914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲瀬 直彦 東京医科歯科大学, 医学部・附属病院, 助手 (60262185)
三宅 修司 東京医科歯科大学, 医学部・附属病院, 助手 (50239365)
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Keywords | 慢性鳥飼病 / 潜在性発症型 / 再燃症状軽減型 / 特発性肺線維症 / 喫煙 / 免疫グロブリンサブクラス |
Research Abstract |
1.特発性肺線維症と慢性鳥飼病の相同性について 前年度の研究実績より診断基準が作成され慢性鳥飼病の臨床像が明らかとなった。慢性鳥飼病は再燃症状軽減型と潜在性発症型とに分類され、他院から紹介された潜在性発症型11例中7例は特発性肺線維症と診断されていた。再燃症状軽減型と潜在性発症型について臨床像および胸腔鏡下肺生検による病理組織像の比較検討を行なった。再燃症状軽減型(前者)は、当初急性エピソードがあるも抗原曝露を継続しても発熱などの急性症状は軽快して労作時呼吸困難だけとなる例で、潜在性発症型(後者)は当初より労作時呼吸困難で発症する例である。前者はCRP陽性など炎症反応は弱陽性であるが後者は陰性である。前者は抗体陽性、リンパ球増殖試験とも陽性例が多いが、後者は抗体陰性例が約50%である。前者ではBALリンパ球増多を認めるが、後者は正常例が多い。画像上、前者ではhoneycombは約50%にみられるが極めて限局性で汎小葉性のスリガラス影がモザイク状に出現したり、小葉中心性の粒状影など急性鳥飼病の画像と一部は類似している。一方、後者はhoneycombは全例にみられ限局性から広範囲な例まであった。また気管支血管束に沿った限局性スリガラス影をみるが、小葉中心性粒状影はほとんどみられない。病理組織像の比較では、前者はNSIP様病変が多く後者はUIP様病変が目立った。後者の高度進展例は特発性肺線維症との区別は鳥飼育歴や羽毛布団使用などの生活歴と免疫学的検査および吸入誘発試験でのみ可能であった。既に発表した論文と現在投稿中の論文とがある。 2.慢性化して肺線維化へ至るプロセス 喫煙の影響は動物モデルで検討中であり、現在の所喫煙群でハイドロキシプロリン量の増加を認めている、またこの過程におけるサイトカインの動態を検討中である。次に患者血清、BAL液の免疫グロブリンサプクラスの検討より、糖蛋白抗原成分よりも蛋白抗原分画が慢性化に関与している可能性が高い。現在論文を作成中である。
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Research Products
(19 results)
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[Publications] Yasuyuki Yoshizawa: "Recent advances in the pathogenesis of hypersensitivity pneumonitis"Recent Res Devel Allergy & Clin Immunol. 2. 105-117 (2001)
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[Publications] 今井美和: "Busulfan lung3症例の臨床的検討"第64回間質性肺疾患研究会討議録. 73-79 (2001)
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[Publications] 三宅修司: "マウス抗Trichosporon asahiiモノクローナル抗体D-8を用いた抗原接合ELISA法による夏型過敏性肺炎診断の有用性について"日本呼吸器学会誌. 39(1). 7-11 (2001)
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[Publications] Naohiko Inase: "Calretinin Promoter for Suicide Gene Expression in Malignant Mesothelioma"Anticancer Research. 21. 1111-1114 (2001)
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[Publications] Michiko Tanaka: "Neuiron Specific Enlolase Promoter for Suicide Gene Therapy in Small Cell Lung Carcinoma"Anticancer Research. 21. 291-294 (2001)
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[Publications] Emiko Morimoto: "Adenovirus-Mediated Suicide Gene Transfer to Small Cell Lung Carcinoma Using a Tumor-specific Promoter"Anticancer Research. 21. 329-332 (2001)
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[Publications] Michiko Tanaka: "Isolation of the Human Aquaporin 3 Promoter"J Biochem Mol Biol & Biophys. 5. 177-183 (2001)
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[Publications] Shuji Miyake: "Effect of cyclosporine A on rapidly progressive interstitial pneumonia in dermatomyositis"Sarcoidosis Vasc Diffuse Lung Dis. (accepted).
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[Publications] Toshihide Fujie: "Effect of chest wall vibration on dyspnea during exercise in chronic obstructive pulmonary disease"Respir. Physiol.. (accepted).
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[Publications] Koichi Horita: Anticancer Research. (accepted).
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[Publications] 吉澤靖之: "サイトカインとHP分子呼吸器病"3 (2001)
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[Publications] 海野剛: "今日の処方 肺性心"南江堂. 3 (2001)
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[Publications] 吉澤靖之: "喘息・アレルギー疾患の治療と看護"南江堂. 8 (2001)
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[Publications] 吉澤靖之: "内科《アレルギー疾患の治療ガイドライン》"南江堂. 5 (2001)
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[Publications] 稲瀬直彦: "医学のあゆみ COPDの画像診断-X線所見-"医歯薬出版. 4 (2001)
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[Publications] 吉澤靖之: "THE LUNG perspectives呼吸器疾患における線溶系の役割"2 (2001)
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[Publications] 吉澤靖之: "過敏性肺炎 ガイドライン外来診療2001"日経メディカル開発. 7 (2001)
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[Publications] 稲瀬直彦: "呼吸器疾患 最新の治療2001-2003抗炎症・免疫抑制薬(マクロライドも含む)"南江堂. 4 (2001)
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[Publications] 稲瀬直彦: "最新医学 特発性肺線維症における急性増悪と肺がん合併の病態学的意義と対応"最新医学社. 4 (2001)