2000 Fiscal Year Annual Research Report
血小板活性化因子(PAF)感受性を遺伝的に規定する因子の同定と喘息との関連の検討
Project/Area Number |
12670573
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
浅野 浩一郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (60192944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩見 哲也 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50286465)
山口 佳寿博 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (30129712)
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Keywords | 喘息 / 血小板活性化因子 / 血漿PAFアセチル水解酵素 / 血小板活性化因子受容体 / 遺伝子多型 |
Research Abstract |
血小板活性化因子(PAF)は喘息の病態に重要な役割を持つ脂質メディエーターであり、7回膜貫通型受容体(PAF受容体)を介して様々な生理活性を発揮する。しかしPAFに対する感受性には大きな個体差があることが知られており、これが今まで開発されてきたPAF拮抗薬の効果が一定しないことの一因であると考えられる。このPAF感受性の違いは純系マウスの系統間でも観察されることから、少なくとも一部は遺伝的素因により規定されている。本研究ではPAF分解酵素である血漿PAFアセチル水解酵素の欠損症とPAF受容体異常の2点からヒトのPAF感受性を規定する因子に関しての検討を行っている。 平成12年度は血漿PAFアセチル水解酵素完全欠損症例8例を含む健常人24例程度に対してPAF吸入試験を行い、PAF反応性の個体差が血漿PAFアセチル水解酵素の遺伝子型あるいは酵素活性により規定されているかを検討した。その結果、PAF反応性の個体差は血漿PAFアセチル水解酵素とは無関係であることが明らかとなった(現在、論文投稿中)。 またそれと並行してPAF受容体遺伝子についてPCR-SSCP法によるスクリーニングと直接塩基配列決定法を行い、細胞内情報伝達に重要と思われる領域にミスセンス変異を見いだした。現在、この変異遺伝子をCHO細胞に発現させ、PAF受容体機能に及ぼす影響を検討中である。次年度はこの変異PAF受容体の機能解析と喘息の病態との関連解析を中心に検討を進める予定である。
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