2001 Fiscal Year Annual Research Report
肺胞マクロファージ一酸化窒素合成酵素遺伝子の誘導抑制による急性肺傷害の治療
Project/Area Number |
12670579
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Research Institution | Tokyo Woman's Medical University |
Principal Investigator |
玉置 淳 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (60147395)
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Keywords | 肺胞マクロファージ / 一酸化窒素 / 遺伝子治療 / 急性肺傷害 / サイトカイン / マクロライド / クラリスロマイシン / ポーラログラフィー |
Research Abstract |
1.免疫複合体(lgG-lCx)による肺傷害動物モデルの作成:Sprague-Dawley系SPFラットを用い,経気管支的にpolyclonal lgG含有抗BSAを投与し,次いでBSAを経静脈的に投与した.肺を経時的に摘出し,肺胞領域を中心にその形態変化を観察した結果,著明な好中球浸潤を伴った肺水腫の像が認められた.また,肺の乾燥重量/湿重量(D/W ratio)は有意に増加し,肺血管透過性の亢進が窺われた. 2.呼気中一酸化窒素濃度の測定:上記のin vivoの実験系で,ベンチレーターから呼気ガスを経時的に採取し,ケミルミネセンス法を用いて一酸化窒素濃度を測定した.その結果,肺傷害モデルでは呼気中の一酸化窒素濃度が著しく増加しており,とくにBSA投与の6時間後に最高値を示した.する.また,あらかじめマクロライド(エリスロマイシン,クラリスロマイシン,ジョサマイシン)を経口投与した群では,肺傷害に起因する一酸化窒素濃度の増加が軽微であり,さらに好中球の浸潤も有意に抑制された. 3.一酸化窒素合成酵素サブタイプの決定:lgG-lCx投与後に気管支肺胞洗浄を施行し,得られた細胞より肺胞マクロファージを分離しNADPH diaphorase活性の免疫細胞化学を行った.また,恒常型および誘導型の一酸化窒素合成酵素の各々のモノクローナル抗体にて免疫染色も施行した.その結果,肺胞マクロファージにおける一酸化窒素合成酵素の局在が確認され,これらはすべて誘導型(Type II)の一酸化窒素合成酵素であった.さらに,上記のマクロライドの投与はこれらの酵素発現を抑制した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tamaoki Jun: "Molecular mechanism of airway remodeling in asthma"Recent Research Developments in Clinical Immunology. 4. 1-10 (2001)
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[Publications] 多賀谷悦子: "気道分泌亢進に対するクラリスロマイシン短期投与の効果"Japanese Journal of Antibiotics. 54. 33-35 (2001)
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[Publications] 玉置 淳: "気管支・肺の防御機構と呼吸器疾患"埼玉県医学会雑誌. 36. 154-158 (2001)