2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670580
|
Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
青柴 和徹 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (60231776)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 修司 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (30147392)
|
Keywords | アポトーシス / 肺気腫 / エラスターゼ / 肺胞上皮細胞 |
Research Abstract |
1 8週齢C57BL/6マウスに豚膵エラスターゼ(2単泣)を気管内に注入後、肺を経時的に摘出して組織切片を作成し、TUNEL法によりアポトーシスを検出した。その結果、エラスターゼの気管内注入24時間後には肺胞壁細胞(特にI型およびII型肺胞上皮細胞)にアポトーシスが観察された。48時間以後には従来の報告どうり広範な気腫病変が観察された。以上の結果から、エラスターゼにより惹起される肺気腫モデルにおいて肺胞壁細胞にアポトーシスが生じることが示唆された。 2 このような肺胞壁細胞のアポトーシスが肺気腫の原因となるかどうかを明らかにするためにin vivoにおいて蛋白導入試薬(Chariot【○!R】)を用いて活性化カスパーゼ3を肺胞壁細胞内に導入した。すなわち活性化カスパーゼ3とChariot【○!R】の混合体をマウスの気管内に注入し、経時的に肺を摘出した。混合体の注入2時間後には肺胞壁細胞に広範なアポトーシスが観察された。さらに6時間後には肺胞壁の破壊と肺胞腔の拡張を伴う気腫病変が形成された。このような気腫病変はカスパーゼ3阻害薬DEVD-CHOを混合体に加えることにより抑制された。一方、Chariot【○!R】を用いずに活性化カスパーゼ3のみを気管内に注入してもアポトーシスや気腫病変は観察されなかった。またアポトーシス誘導物質であるnodularinを気道内に注入しても同様に肺胞壁細胞のアポトーシスと気腫病変が形成された。以上の結果から肺胞壁細胞のアポトーシスが肺の気腫化の原因となることが示唆された。
|