2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670584
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
下内 章人 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室員 (80211291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蓮見 啓二 日立東京エレクトロニクス株式会社, 主任技師
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Keywords | 肺高血圧症 / 低分子化合物 / 質量分析 |
Research Abstract |
本研究では肺高血圧症における低分刊勿質の探索のため,(1)呼気ガス試料採取のためのハイパークリーン呼吸回路システムならびに(2)液性生体試料を主とした生体試料専用の超小型昇温脱離ガス発生装置(TDS)の開発し,大気圧イオン化質量分析装置への生体試料の導入を可能にした. (1)呼吸回路システムの制作: 生体は呼吸により酸素のみならず環境中の微量物質も吸入し,また,呼気ガス中に排気している.このため,呼気ガスの低分子微量物質を分析するには不純物の少ない高純度を出来るだけ回路内で汚染させない状態で空気で呼吸する必要があった.まず高純度空気の選定はAPIMSを用いて行った.一方向弁は薄型ステンレスを用いて呼吸抵抗や逆流の少ないものを試作した.呼吸マスクもステンレスを利用して制作した,呼気ガスの質量分析導入部には結露防止ヒーターを設置した.システム全体を極力単純化し,APIMS分析に最適な呼吸回路システムを組み立てた.この方法により呼気ガス由来の微量化合物を安定した条件下で,再現性よく,リアルタイムで一挙に分析を行うことが可能となった.肺高血圧症患者においては運動耐容能が低下している.この原因を探るため健康人を対象に心肺運動負荷中の呼気ガス採取を行い,嫌気性代謝関連物の質量数を約10個程度見出した. (2)生体試料用小型TDSの制作: 生体試料用に1μLで済むためTDSを大幅に小型化できた.昇温範囲は35-300℃とし,試料留置炉心部はTCTチューブに石英ウールを詰め,周囲にヒーターを巻き温度調節した.配管は高純度ガス.1種を二股に分岐させ,各々,マスフローコントローラーでガス流量を制御し,モレキュラーシーブスで水分と不純物を除去した.ガス流の一方は試料留置炉を通過させ,他方は希釈用とし,両者を再び合流させAPIMSに導入する方式とした.炉周囲に冷却ファンを設置し,短時間での連続使用を可能にした.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shimouchi A, Hasumi K et al.: "Development of a small thermal disorption spectrometer for the analysis of one microliter of body fluid"Japanese Journal of Physiology. (abstract in press). (2001)
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[Publications] Shimouchi A, Hasumi K et al.: "Exploratory study on chemical compounds with low mass numbers associated with pulmonary hypertension in rats"Am J Resuir Crit Care Med. 161. A141 (2000)
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[Publications] Hasuda T, Shimouchi A et al.: "Improvement in exercise capacity with nitric oxideinhalation in patients with pulmonary hypertension. Circulation"Circulation. 101. 2066-2070 (2000)
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[Publications] 下内章人, 他: "肺高血圧症-最新の進歩-:慢性肺血栓塞栓症"血圧. 7. 35-42 (2000)