2000 Fiscal Year Annual Research Report
運動ニューロン疾患におけるSOD1変異と軸索輸送障害の連関に関する研究
Project/Area Number |
12670589
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
豊島 至 秋田大学, 医学部, 講師 (80108951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 千鶴 秋田大学, 医学部, 医員(臨床)
菅原 正伯 秋田大学, 医学部, 医員(臨床)
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Keywords | ALS / SOD1 / GFP / RFP / 培養神経細胞 / 軸索輸送 / 蛍光ビデオ顕微鏡 / 脊髄神経節 |
Research Abstract |
本年度の目標は下記であった。 1)培養神経細胞における、green fluorescent protein(GFP)ラベルの変異SOD1の発現の確立。2)培養神経細胞軸索において、変異SOD1の速い軸索輸送への影響。 培養神経細胞にGFPラベルタンパクを発現させて追跡するため、長時間観察用倒置型蛍光顕微鏡設置した。チップ上に蓄電可能な高感度冷却CCDカメラを用い、1/1000に減光してタイムラプスビデオで記録することができた。長時間観察には炭酸ガスと温度の調節も顕微鏡内で必要となるが、顕微鏡全体をエアーカーテンで覆い、炭酸ガスは、培養装置より導入した。これにより、顕微鏡下で安定した培養条件が得られるようになった。 研究協力者として、新潟大学脳研究所神経内科の中野亮一助手にさまざまなSOD1変異を供給いただいた。野生型、A4T、G85R、G93A、d126Pである。野生型以外をred fluorescent proteinとの融合タンパクとし、GFPラベルの野生型とCOS7細胞(サル胚細胞)に同時発現させた。共存状態を知るためである。その結果、変異SOD1はCOS7細胞内に明瞭な凝集体を作り、野生型と共存することが分かった。変異SOD1は凝集体を作る前は細胞内に均一に分布しているが、凝集すると背景は消失した。しかし、野生型SOD1はこの凝集形成に共存はするものの細胞内にも均一に存在し続け、失われることはなかった。このことは、SOD-1の細胞毒性は凝集形成と関係していることを示唆している。 培養脊髄神経節細胞にGFPラベル野生型と変異SOD1を発現させることができることを確認した。速い軸索輸送も観察され現在解析中である。また、グリア細胞内に凝集が見られ、個々の細胞における凝集形成が継続的に観察可能となった。これにより変異SOD1の発現による細胞死の時間経過を知ることが可能になった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Toyoshima I et al: "Massive accumulation of M and H subunits of neurofilament proteins in spinal motor neurons of neurofilament deficient quail, Quv."Neurosci Lett. 287. 125-128 (2000)
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[Publications] Sugawara M et al: "A novel de novo mutation in the desmin gene causes desmin myopathy with toxic aggregates"Neurology. 5.5. 986-990 (2000)
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[Publications] Sugawara M et al: "Spinal and Bulbar Muscular Atrophy without Tongue Atrophy"Eur Neurol. 45(印刷中). (2001)