2001 Fiscal Year Annual Research Report
慢性脱髄性多発神経炎・傍腫瘍症候群で出現する自己抗体の認識する未知抗原分子の同定
Project/Area Number |
12670594
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
千葉 厚郎 杏林大学, 医学部, 講師 (30313133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠 進 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (90195438)
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Keywords | 慢性脱髄性多発神経炎 / 傍腫瘍症候群 / 自己抗体 / CIDP / 抗核抗体 / 抗ミエリン蛋白抗体 / 運動ニューロン疾患 |
Research Abstract |
昨年度の研究で見いだした、慢性脱髄性多発神経炎(CIDP)血清中の抗体の認識する約19kDaおよぴ約29kDaの抗原蛋白についての解析を進めるとともに、患者血清のスクリーニングを行った。 【抗原蛋白の解析】19kDaの蛋白に関しては、抗原蛋白含有量の多い小脳を用いて再度細胞分画を調整しその核分画に回収されることを確認し、以後の蛋白の解析には小脳を材料とするのが適当と考えた。当該蛋白と類似の分子量を持つ核蛋白としてヒストンH1があり、各種自己免疫性疾患でそれに対する抗体が報告されていることより、その標品を用いて検討したがヒストンH1である可能性は否定された。二次元電気泳動により当該蛋白を分離しそのスポットを切り出しN末端分析あるいは質量分析によりそのペプチドの部分情報を得ることを試みたが、現在のところ二次元電気泳動による分離が得られていない。29kDaの蛋白に関しては末梢神経ミエリン分画に回収されること、P0蛋白ではないことが判明している。この蛋白に関しても二次元電気泳動により蛋白の分離とN末端分析あるいは質量分析による解析の方向検討を試みているが、現在までのところ二次元電気泳動による分離が得られていない。 【患者血清のスクリーニング】急速に進行した運動ニューロン疾患類似の症候を示した患者血清中に、約35kDaの蛋白を認識するIgG抗体を検出した。抗原蛋白は神経・筋組織のみに検出され非神経筋組織(肝臓・腎臓)には検出されず、また膜分画に回収された。蛋白の組織分布よりは本患者の病態に病因的に関与している可能性が考えられる。
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