2001 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞増殖因子HGFの前投与による脳血管新生および局所脳虚血耐性誘導の試み
Project/Area Number |
12670619
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
永山 正雄 東海大学, 医学部, 講師 (80208058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 博 東海大学, 医学部, 助手 (20317811)
永山 富子 東海大学, 医学部, 助手 (80266395)
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Keywords | 肝細胞増殖因子 / HGF / 血管新生 / 局所脳虚血 / 脳梗塞 / 虚血耐性 |
Research Abstract |
目的:脳損傷のみならず脳組織修復や回復に重要な遺伝子を見出すためには、脳虚血後より遅い時期における脳組織を調べる必要がある。われわれは昨年度の検討により、局所脳虚血後にHGFが超遅発性に発現することを示したが、その発現過程は血管新生や神経栄養因子活性の亢進を伴う脳組織修復過程とオーバーラップする。本年度は血管新生活性、神経栄養活性やmitogenesis作用を有するHGFの前投与を行い、局所脳虚血後の形態的および機能的回復に及ぼす効果を検討した。 対象と方法:雄マウス(C57BL/6N)に直達式中大脳動脈(MCA)閉塞を行い6日後にsacrificeし、局所脳虚血発症後のマウス梗塞サイズ・神経学約機能回復に及ぼすhuman recombinant HGF(Mitsubishi Pharma Corporation)の影響を評価した[Early pretreatment群(n=6):MCA閉塞2週間前にHGF大槽内投与、posttreatment群(n=6):MCA閉塞直後にHGF大槽内投与、Control群(n=5)]。 結果:Early pretreatment群ではposttreatment群と同等以上の梗塞サイズ縮小(最大44%)がみられ、かつ虚血24時間後の神経学的障害も他の群よりも有意に少なかった。 結論:超遅発性発現遺伝子・蛋白に対するinterventionは、虚血耐性及び機能回復の促進を誘導しうるものと考えられ、局所脳虚血に対する新しいstrategyとして今後さらなる検討を要する。
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Research Products
(1 results)