2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670649
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
青柳 昭彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10251240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 郁夫 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10302720)
杉浦 清了 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10272551)
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Keywords | 心肥大 / スポーツ心臓 / カルシニューリン / 情報伝達 / 運動 |
Research Abstract |
平成12年度は、ラットの自発走運動による生理的心肥大と上行大動脈狭窄による圧負荷心肥大モデルにおいて、血行動態、組織所見、心肥大の形成過程におけるカルシニューリンの役割について比較検討した。 方法:雄Wistarラットを用い、以下の5群に分類した。1)特製ケージによる10週間の自発走運動群2)安静群、大動脈縮窄による病的圧負荷心肥大モデルとして3)縮窄術後1週間および4)縮窄術後4週間経過したものの2群と、5)sham手術群。 心筋カルシニューリン活性の測定は32PでラベルしたcAMP-dependent protein kinase R-II subunit phosphopeptide(Peninsula Laboratories,San Carlos,U.S.A)から遊離させたリン酸量により測定した。 結果:10週間の自発走運動群の走行距離は一日平均2.4kmに達し、左室重量/体重比は15.4%増加した。大動脈縮窄による圧負荷群では33.1%の増加であった。血行動態検査では4週間の大動脈縮窄群において左室拡張終期圧の上昇(24mmHg)を認めた。自発運動群は左室拡張期径の拡大と一回心拍出量の増大というスポーツ心臓に相当する所見を示したのみであった。心筋組織検査では、運動群で心筋細胞の縦方向への伸長、圧負荷群で横径の肥大を認めた。心筋カルシニューリン活性は運動群では2.5倍に増加していた。圧負荷1週間では2.0倍と増加したが4週間ではsham手術後と同じレベルにもどっていた。 まとめ:ラットの自発走運動による生理的心肥大において心筋カルシニューリン活性が増加していた。一方大動脈縮窄による病的な圧負荷心肥大でのカルシニューリン活性化は一過性であり、心不全に移行しつつある後期では、活性化は見られなかった。
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Research Products
(1 results)