2000 Fiscal Year Annual Research Report
心不全におけるカルジオトロフィン-1およびその受容体の生理的、病態的意義の解明
Project/Area Number |
12670662
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青山 武 京都大学, 医学研究科, 助手 (30222491)
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Keywords | 心不全 / 心筋梗塞 / 心室リモデリング / カルジオトロフィン-1 / gp130 |
Research Abstract |
カルジオトロフィン-1(CT-1)は、心筋細胞を長軸方向に肥大させるユニークな作用を有する。CT-1およびその受容体の構成成分であるgp130の心拡大における役割を検討した。 まず、ラット心筋梗塞モデルにおいて、CT-1およびgp130の発現を検討した。両因子は梗塞部および非梗塞部である心室中隔において、梗塞後1-2週後にピークに達し、慢性期においてもコントロール群に比して有意に増加していた。CT-1の発現パターンは心筋梗塞後の心拡大の進展度合いと平行に変化した。 さらに、ダールラット食塩感受性高血圧モデルを用いて、CT-1の発現を検討した。本モデルにおいては、生後11週で代償性心肥大を、17週で非代償性心拡大(心不全)を示すが、心肥大期においてはCT-1の発現上昇は軽度であったが、17週の心拡大期には、CT-1の発現は著明に増加していた。また、心エコーで測定した左心室の拡張末期径とCT-1の発現レベルは正の相関を示した。単離した心筋細胞の長さは心拡大期に最も増大していた。 これらのことより、CT-1はin vitroにおいて確認されている心筋細胞の長軸方向への肥大作用をin vivoにおいても促進させていることが確認された。心不全に至る過程において、心臓は心拡大により心拍出量を保とうとする機序を有するが、そのひとつの情報伝達分子として、CT-1の関与が明らかとなった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Iwanuga et al.: "Modulation of in vivo cardiac hypertrophy with insulin-like growth factor-1 and ungiotensin-converting enzyme inhibitor."J.Am.Coll.Cardiol.. 36. 635-642 (2000)
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[Publications] T.Aoyama et al.: "Augmented expression of cardiac trophin-1 and its receptor component, gp130, in both left and right ventricles after myocardial infarction in the rat"J.Moll.Cell.Cardiol.. 32. 1821-1830 (2000)
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[Publications] T.Takimoto et al: "Differential Expression of three types of nitric oxide synthase in both infarcted and non-infected left ventricles after myocardial infarction in the rat"Int.J.Cardiol.. 76. 135-145 (2000)