2000 Fiscal Year Annual Research Report
バーチャルリアリティを用いた情動-自律神経連関制御による心不全治療の試み
Project/Area Number |
12670665
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 洋 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10294092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 秀幸 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70167435)
葛谷 恒彦 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (80150340)
堀 正二 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20124779)
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Keywords | 運動負荷 / バーチャルリアリティ / 自律神経 / 心不全 |
Research Abstract |
<仮想環境の健常人における運動能および自律神経・神経体液因子に与える検討> 仮想環境(バーチャルリアリティ)の実現は、3面液晶ディスプレイ、パソコンベースのバーチャルリアリティ画像提示システム、画像に連結した足踏みペダル(負荷可変)を主要構成要素としたベッドザイドウエルネスシステム(三菱電気(株)製・貸与中)による。これにはさらに立体音響機能の他、風・香り送風機構、バイタル計測機構が附属しており、画像プログラム(コンテンツ)により仮想環境を構成する。現時点では、森林散策、湖畔散策のコンテンツが完成しており、前者すなわちバーチャル森林浴下での健常人の神経体液性因子への影響を検討する。 健康男性10名に対し事前にランプ座位運動負荷試験および呼気ガス分析を施行し嫌気性代謝閾値(AT)を計測し、ベットサイドウエルネスシステムの負荷可変足踏みペダルによりAT負荷を実現する運動負荷プロトコールを決定した。仮想環境の有無により、AT到達までの時間を比較する他、AT時の体液因子の指標としてカテコラミン、コルチゾール等を測定した。仮想環境による情動の変化を測定するために試験前後において、主観評定をHADS(Hospital Anxiety and Depression Scale)試験により行った。 ベッドサイドウエルネスシステムを用いた可変足踏みペダルによる負荷は安全に施行することができた。途中経過であるが、AT到達までの時間はバーチャルリアリティー提示群で有意に高値を示した。またHADS試験はバーチャルリアリティー提示群では運動前・後で改善傾向を示したが、否提示群では悪化傾向を示した。一方、体液因子の指標は両群間に差を認めなかった。また交感神経・副交感神経活性指標に両群間で差を認めなかった。現在、種々の負荷条件下で仮想環境の効果を持続して検討中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kitakaze,M: "Celluar mechanisms of cardioprotection afforded by inhibitors of angiotentsin converting enzyme in ischemic hearts."Hypertension research. 23. 253-259 (2000)
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[Publications] Yamaguchi,H: "Characteristics of myocardial 18F-flurodeoxyglucose positron emission computed tomography in dilated cardiomyopathy and ischemic cardiomyopathy"Annals of Nuclear Medicine. 14. 33-38 (2000)
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[Publications] Yamamoto,K: "Roles of rennin-aongiotensin and endothelin systems in development of diastolic heart failure hypertensove hearts"Cardiovascular research. 47. 274-283 (2000)
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[Publications] Hoshida,S: "Differential effects of long-term rennin-angiotensin system blockade on limitation of infarct size in cholesterol-fed rabbits"Atherosclerosis. 149. 287-294 (2000)
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[Publications] Minamino,T: "Chronic treatment with FK506 increase p70 S6 kinase activity associated with reduced nitric oxide synthase activity in rabbits hearte"Cardioavascular drugs and therapy. 14. 329-336 (2000)
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[Publications] 塩谷一成: "運動療法はβ受容体遮断薬を介して慢性心不全の予後を悪化させる-心筋症ハムスターBIO14.6による検討-"日本心臓病学会抄録集. 362. 254 (2000)