2000 Fiscal Year Annual Research Report
経冠動脈的遺伝子導入法を用いた心不全の遺伝子治療の基礎研究
Project/Area Number |
12670677
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐藤 真司 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (60274445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 光 産業医科大学, 医学部, 教授 (50260378)
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Keywords | 心不全 / 収縮タンパク質 / カルシウム感受性 / 組み換えアデノウィルス / GTP結合タンパク質 |
Research Abstract |
平成12年度は正常心筋における収縮力調節の細胞内機序、および不全心筋の収縮調節におけるGTP結合タンパク質を介する情報伝達系の異常を見いだし、心不全治療のターゲットとなる遺伝子を決定するための基礎実験を行ってきた。 1)イヌの心不全モデルでGTP結合タンパク質Gq-RhoA-Rho kinaseを介する情報伝達が亢進しミオシン軽鎖のリン酸化を亢進させ、その結果収縮タンパク質のカルシウム感受性を増強させることを観察した。この系は収縮不全の代償機構および、拡張不全の一機序となっている可能性がある(論文revised中)。 2)ラット心筋に特異的に発現しているミオシン軽鎖脱リン酸化酵素サブユニット(M21)の機能解析を行った。その結果、M21は収縮タンパク質のカルシウム感受性を増強させることを観察した。(論文印刷中) 3)RhoA-Rho kinaseによるミオシン軽鎖のリン酸化亢進が不全心筋の機能異常の一因である可能性がある。RhoAをターゲットにした組み換え遺伝子導入実験を行う前に、薬物を用いた基礎実験を遂行中である。ラットの心不全モデルを用いてRho kinase阻害薬であるY-27632を経口的に長期投与して不全心筋のリモデリングが抑制されるか、収縮機能異常(収縮障害、拡張障害)が改善されるかを観察中である。 4)培養心筋を用いて、Gqにより活性化される可能性のある新しいカルシウムチャネルの同定を遺伝子工学的手法を用いて解析中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Arimura T, et al.: "Identification, characterization and functional analysis of heart-specific myosin light chain phosphatase small subunit."J Biol Chem. (in press). (2001)
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[Publications] Kinugawa et al.: "Treatment with dimethylthiourea prevents left ventricular remodeling and failure after experimental myocardial infarction in mice."Circ Res. 87. 392-398 (2001)
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[Publications] Tsutsui H, et al.: "Positive inotropic effects of calcium sensitizers on normal and failing caidiac myocytes."J Cardiovasc Pharmacol. 37. 16-24 (2001)