2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670694
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
武田 信彬 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (60112835)
|
Keywords | 心筋炎 / ラット / コクサッキーB_3 / ウィルスゲノム |
Research Abstract |
(はじめに)ラットはウイルス感染に強い抵抗性を有するため、これまで動物実験でのウイルス性心筋炎にはマウスがもちいられている。しかし、ラットは免疫組織学的にヒトと共通抗原性を有することから、ラットで実験的ウイルス性心筋炎を発症させることができればそれを検討することによってヒトでの変化を推測できるという意義がある。本研究ではコクサッキーB3ウイルス(CVB3)感染ラットの作製と、それが急性期の心筋炎モデルとして用いることが可能かどうかを検討した。(方法)生後1-2日のSD、Wistar、Fisherの三種類のラット各12匹を用い、それぞれ対照群(C)とCVB3腹腔内接種(10^6PFU)群(B)の2群に分け、生後3,5,7,14日目にペントバルビタール麻酔下で心臓、肝臓、胸腺、脾臓、腎臓を摘出した。これらに10%ホルマリン固定を行い、パラフィン包埋後5umの切片を作製し、HE染色、Masson trichrome染色を行い、さらにrapid in situ hybridization法を行って、病理組織学的に観察した。(結果)生後3日目のSD,Wistarラットにおいてすべての臓器で光顕的には明らかな変化は見られなかったが、rapid in situ hybridization法で心筋、腎臓の糸球体、近位尿細管、胸腺にCVB3ウイルスゲノムを認めた。これは生後14日目においても同様に認められた。一方、心臓における光顕的変化は生後8日目から認められた。Fisherラットは他2者に比べて組織学的変化、ウイルスゲノム陽性の程度は軽い傾向にあった。(まとめ)今回の研究は急性期の心筋炎の検討であるため、今後はさらにコクサッキーウイルス投与後長期モデルの作製と、ウイルス接種の方法を検討する予定である。
|
Research Products
(1 results)