2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12670707
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Research Institution | KAWASAKI MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
渡邉 望 川崎医科大学, 医学部, 助手 (60319960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 清 川崎医科大学, 医学部, 教授 (60322583)
赤阪 隆史 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (70322584)
藤本 勝邦 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (80106351)
神山 憲王 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10248213)
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Keywords | 心筋虚血 / 再灌流障害 / 3次元構築 / 心筋微小循環 |
Research Abstract |
本研究では、心筋再灌流モデルを作成し冠微小血管を直接観察してその形態学的異常を検討し、再灌流障害時の微小血管の病態を明らかにすることを目的とし、レーザー共焦点顕微鏡を用いて三次元的に微小血管立体構造を観察した。本年度はとくに、臨床的に再灌流障害に有効であると示唆されている薬剤の効果を、毛細血管レベルでの観察により検討した。薬物投与をしないモデルでは、12年度同様に、再開通後良好な灌流を得られなかった群で心筋内毛細血管の形態的変化とそれに伴う著しい毛細血管容量の減少を認めた。薬物による再灌流障害への影響を検討するため、臨床的に再灌流障害の軽減に有効とされる薬剤ニコランジル投与による同現象への影響につき実験を行った。その結果、ニコランジル投与時には再開通後の再灌流不良例(いわゆるno-reflow症例)の割合が著しく減少し、その毛細血管容量減少の程度も非投与群に比べて軽減されることを観察した。臨床の現場で用いられているドプラガイドワイヤや心筋コントラストエコー法による研究で、再灌流障害時の心筋内微小循環障害が示唆されていたが、本研究では解剖学的見地からそのメカニズムの一旦に迫ることができ、さらにその治療法への足がかりを得ることができた。またドプラガイドワイヤ、心筋コントラストエコー法およびドプラ心エコー図法にても冠循環観察を行い、本実験の実験結果を臨床例での現象と照らし合わせて考察することができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nozomi Watanabe: "Heterogeneous Perfusion Insufficiency and Three-dimensional Microstructure Abnormality of Coronary Capillary Network After Myocardial Reperfusion"J Am Coll Cardiol. (in press). (2002)
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[Publications] Eiji Toyota: "Dynaimic Changes in Three-Dimensional Architecture and Vascular Volume of Transmural Coronary Microvasculature Between Diastolic-and Systolic-Arrested Rat Hearts"Circulation. 105. 621 (2002)
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[Publications] Nozomi Watanabe: "Noninvasive Detection of Total Occlusion in the Left Anterior Descending artery by Transthoracic Doppler Echocardiography"J Am Coll Cardiol. 38. 1328-1332 (2001)
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[Publications] 藤本 勝邦: "中枢神経系内微小循環系の形態"解剖誌. 76. 551-554 (2001)
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[Publications] 赤阪 隆史: "有意狭窄の診断:機能的評価(形態的評価との対比)"循環器専門医. 8・2. 307-313 (2000)
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[Publications] 藤本 勝邦: "組織内微小循環系の共焦点レーザー走査型顕微鏡による観察方法"電子顕微鏡. 35・3. 258-261 (2000)